社会人の仲間入りをする「就職」は、人生の大きな節目のひとつです。
そんな門出を祝うために、親戚の子供や孫、または特に親しい知人の子供が就職するときに「就職祝い」を贈るのが一般的ですが、 年の違う友人や彼氏・彼女、後輩などに贈る場合もあります。
このように、贈る機会が多い「就職祝い」ですが、結婚祝いなどと比べると、意外とマナーがあやふやなのではないでしょうか。この記事では、そんな「就職祝い」の贈り方に関するマナーをまとめてご紹介します。
就職祝いを渡す時期は?
就職祝いは、就職が決まったあと、できるだけ早い時期に贈るのが原則です。就職の知らせを受けるのが遅く、あいだが空いてしまう場合も、可能な限り入社式の1ヵ月以内には贈るようにしましょう。誰に贈るべきかという細かいルールはありませんが、自身の子供や孫、甥・姪などの親族や親しい友人の子供、教え子、後輩、彼氏・彼女などに贈る場合が多いです。
就職祝いの相場は?
あまり高価なプレゼントは、かえって相手に気を使わせてしまいますから、相場を押さえておくのも大切です。就職祝いの相場は、相手との関係によって違います。
おおよその目安は次のようになっています。
相手との関係 | お祝いの目安 |
---|---|
自分の子供 | 30,000円前後 |
孫 | 30,000~50,000円 |
兄弟・姉妹 | 20,000~30,000円 |
甥・姪 | 10,000~20,000円 |
それ以外の親戚 | 5,000~10,000円 |
友人・知人 | 5,000円~10,000円 |
彼氏・彼女 | 5,000円~10,000円 |
明確な基準はありませんが、基本的に血縁が近いほど、予算が増える傾向があります。
また、甥や姪など、贈る相手が複数いる場合は、後々のいがみ合いの種とならないように、特定の一人をひいきするようなことはせず、全員を平等に扱うのがいいでしょう。
就職祝いの贈り方のマナーは?
就職祝いは厳密にいえば、繰り返される慶事ではありませんが、水引は、複数回起こっても構わないお祝い事に使われる「蝶結び」と、結婚式など1回限りのお祝い事に使われる「結び切り」のどちらでも大丈夫だとされています。紅白で、のし付きの物を選びましょう。
表書きは「御就職祝」とするか、シンプルに「御祝」でも大丈夫です。
就職祝いに何を贈るべきか?
就職祝いのプレゼントには、社会人として生活や仕事をしていく上で役立つ、身の回りの物を贈るのが一般的です。
相手の業種や仕事の内容などを知った上でぴったりの物を選ぶのが理想ですが、好みを完璧に把握するのはなかなか難しいので、参考になりそうな人気のアイテムを贈る相手別に紹介します。
子供や孫に就職祝いを贈る場合
ビジネスシーンで使えるシンプルなデザインやベーシックな色遣いで、自分自身で買うには少し高価で上質の物を贈るのがおすすめです。最近では、タブレットなども人気があります。
ただし、仕事の内容によっては使われない物もありますので、相手に合ったプレゼントを選びましょう。
おすすめの品:高級ボールペン、万年筆、定期入れ、キーケース、財布、腕時計、ネクタイ、アクセサリー、タブレット端末
甥や姪に就職祝いを贈る場合
基本的には子供や孫に贈る場合と同じですが、予算の都合上、大きな物は難しい場合があります。
品質が中途半端な物を選ぶよりは、小さくても高品質の物を選ぶのがおすすめです。
おすすめの品:高級ボールペン、万年筆、名刺入れ、定期入れ、ハンカチ、キッチン用品(タンブラーなど)、ネクタイ、アクセサリー
友人・知人に就職祝いを贈る場合
直接の知り合いだと、相手の好みがわかる分、好きなキャラクターが入った物など、その好みを取り入れた品物を贈りたくなりますが、「ビジネスシーンでも使えるシンプルな物を選ぶ」という基本は守りましょう。
おすすめの品:ボールペン、名刺入れ、定期入れ、ハンカチ、タンブラー、ランチボックス、目覚まし時計、折り畳み傘
彼氏・彼女に就職祝いを贈る場合
彼女に贈るなら、化粧品やバッグ、手帳、アクセサリーがおすすめです。
彼氏に贈る物では、キーケースや名刺入れなどに加えて、ベルトやネクタイ、ネクタイピンなど、普段身に着ける物も人気です。
なお、予算では希望の品物が購入できない場合などは「好きな物を買うときの足しにして」と言葉を添えて、現金を渡しても構いません。その場合は必ず新札を用意しましょう。
就職祝いをもらったら?
就職祝いは入学祝いなどと同じく、人生の節目を祝うものなのでお返しは不要です。 できるだけ早くお礼状を出して、謝意を伝えるようにします。
親しき仲にも礼儀あり。子供や孫、甥・姪など、近しい親族への贈り物も、きちんとマナーを守って贈ることは、相手に「社会人になったという自覚」を持ってもらうことにもつながります。
もちろん、彼氏や彼女、親しい友達に贈る場合はかしこまる必要はありませんが、一通りのマナーを押さえておくことは、今後さまざまなお祝いを贈る場面でも役立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。