昔から付き合いのある知人が新しくお店を持つことになったり、取引先の人が独立したりした場合などに、新しい門出を祝う気持ちを込めて贈るのが「開店祝い」や「開業祝い」です。
自分もお店を持っている人の場合は、横のつながりも多いため、開店祝いを贈る機会も多いでしょう。しかし、これまで開店祝いを贈る機会がなく「初めてでどうしていいかわからない」という人もいるかと思います。
そこで、新しいお店や事務所のオープンを祝うために贈る開店祝いのマナーや、選ぶべき品物をご紹介します。
開店祝いってどんなもの?
新しくお店を開いた人に対して、周りの人が贈り物をするのが「開店祝い」です。
お店がリニューアルオープンした場合にも、開店祝いを贈ります。
新しくできた飲食店などに、「祝 開店」などと書かれたスタンド花や鉢植えが飾られているのを見たことがある方も多いでしょう。これは、開店祝いとして贈られた花を飾っているのです。
事務所を新たに開いた人に対しては「開業祝い」、病院を開業した人に対しては「開院祝い」を贈ります。
開店祝いを渡す時期
開店祝いは、「開店日よりも前に渡す」のがマナーです。とはいえ、あまりに早く渡すのも迷惑になりますから、開店日の1週間前から前日までを目安に贈るようにしましょう。開店記念のパーティーに参加する場合は、そのときに持参すれば問題ありません。
万が一、開店祝いが開店前日までに間に合わなかった場合も、開店日から1ヵ月くらいまででしたら「開店祝い」として贈ることができますが、お祝いが遅れたことについて一言添えるようにしましょう。
また、開店祝いとして贈るのではなく、「祈御発展」という表書きにしたり、1周年の記念日に改めて贈り物をしたりする場合もあります。
開店祝いの関係別の相場
開店祝いの相場は、5,000~50,000円程度とかなり幅があります。相手との関係によって金額を決めましょう。
相手との関係 | お祝いの目安 |
---|---|
取引先 | 10,000~30,000円 |
親密な取引先 | 50,000円 |
親子 | 30,000~50,000円 |
兄弟・姉妹 | 20,000~30,000円 |
友人 | 5,000円~30,000円 |
開店祝いはお祝い事ですから、「いくらにしよう」と迷ったときは、関係性を考慮した上で高めの金額設定をしておくと安心です。
開店祝いのマナー
開店祝いに現金を包むときは、紅白の花結びの水引、もしくはあわじ結びの水引を使います。ただし、品物を贈る場合は、花結びの水引を使いましょう。
表書きは「御開店御祝」(お店を開いた場合)、「御開業御祝」(事務所を開いた場合)、「御開院御祝」(病院など、「院」と名のつく施設を開いた場合)とします。下部には、贈り主の名前をしるしましょう。
また、開店祝いには、鉢植えなどの花を贈ることもよくあります。この場合は、のしの代わりに「祝 御開店」「祝 御開業」「祝 御開院」といった立て札を使います。この場合も、立て札に自分の名前をしるします。会社同士のやり取りの場合は、会社名や肩書きも添えるようにしましょう。
親しい人に開店祝いを贈るときは、「ご開店おめでとうございます。今後の御発展をお祈り申し上げます」といったメッセージカードを添えるとより丁寧です。また、お祝いの花を取り扱っている店舗の中には、メッセージカードをつけられるサービスを行っているところもありますので、積極的に利用しましょう。
おすすめの開店祝い定番商品
開店祝いや開業祝いの定番は、やはり鉢植えの花です。
特に多く利用されているのが、高級感のある胡蝶蘭の鉢植えです。新しくオープンした店舗や事務所に花が多く飾られているというのは、見た目にも美しく華やかなため、おすすめのギフトです。とはいえ、顔の広い人の場合、あまりにも鉢植えをたくさんもらいすぎて置けなくなってしまうこともあります。特に小さなお店や病院などを開いた場合は、十分な置き場所があるか確認したり、場所を取る大きな飾りのついた鉢などを贈らないようにしたりするといった配慮も必要です。
現金や商品券なども開店祝いとしてしばしば贈られます。しかし、親しい友人の場合は、開店祝いの相場がそれほど高くないことから、現金や商品券よりも、実用的なギフトなどが好まれます。
開店直後は慌ただしいため、少し落ち着いてからゆっくり希望の品を選ぶことができるカタログギフトもおすすめです。
反対に避けるべき品としては、「火事を連想させる物」と「競合他社の商品」が挙げられます。
火事はお店や事務所などにとって非常に縁起の悪いものです。灰皿やキャンドルなどのような、火につながる贈り物をしないようにしてください。
開店祝いは、贈る相手との関係性によって大きく相場が異なります。また、何を贈るかも相手の希望や業種、店舗のレイアウトなどによって変わります。まずは情報を集めて、迷惑にならず、心から喜んでもらえるようなお祝いを贈りましょう。