長く勤めた会社を退職する際には、記念の品や花束などの「退職祝い」をもらうことがあります。 お返しはどうすべきか気になるところですが、ある程度「お互い様」と言えるものですから、基本的にお返しは必要ありません。感謝の気持ちを表したい場合は、退職後、落ち着いたころにお礼状を出せば十分です。
しかし、「特に親しくしていた上司が、個別にお祝いをくれたような場合」や「お世話になった同僚に何か贈りたい場合」「会社の慣習としてお返しが当然となっているような場合」などには、お返しをするのがおすすめです。
ここでは、退職祝いのお返しを渡す時期や贈り方のほか、相場、定番品・おすすめの品についてまとめてご紹介します。
退職祝いに対するお礼状やお返しを贈る時期は?
退職祝いをもらってから、1週間以内を目安にお礼状を送る、もしくはお返しの品物にお礼状を添えて贈ります。
ただし、部署の同僚に贈る場合は、必ずしも退職してから贈る必要はなく、退職の日にみんなで分けられるスイーツの詰め合わせなどを持っていってもかまいません。その場合、お礼状はのちほど改めて送るといいでしょう。
寿退社で結婚祝いと兼ねて退職祝いをもらった場合
贈り主が披露宴に出席しない場合、結婚式が終わって1ヵ月以内に結婚内祝いを贈りましょう。結婚式を行わない場合は、なるべく早く贈るようにします。披露宴に出席もしてもらっている場合は、受け取った金品の半分ぐらいを目安にお礼を贈ります。
退職祝いのお礼状の文例
参考までに、退職祝いのお礼状の文例をいくつかご紹介します。
定年退職の場合(特に親しかった上司へ)
拝啓
早春のみぎり、○○部の皆様、お元気でご活躍のことと存じます。
先日は、心温まる送別会を開いていただき、本当にありがとうございました。
また、皆様からの温かいお手紙とお祝いの品をいただきまして、
誠に感謝しております。
在職中は、皆様の温かいお心添えにより、
楽しく充実した日々を過ごせましたことを心より感謝いたします。
皆様からいただいた励ましの言葉を胸に、これからは夫とふたり、
温かい家庭を築いていく所存でございます。
どうぞ今後ともお付き合いをお願いいたしますとともに、
皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
略儀ではございますが、まずは書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
寿退社の場合(部署の同僚たちへ)
拝啓
軽暖の候、○○様におかれましては
ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度は、私の退職に際しまして送別会を催していただいた上に、
心のこもったお言葉と退職記念の品を頂戴いたしまして、
誠にありがとうございました。
また、在職中は公私にわたりお世話になりましたこと、
心より厚く御礼申し上げます。
今後は妻とともに趣味の○○や旅行を存分に楽しみながら、
充実した人生を過ごしていきたいと思っております。
略儀ながら、まずは書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
退職祝いのお返しの贈り方は?
退職祝いのお返しの品物には、紅白で蝶結びの水引がついたのし紙を掛けます。表書きは「御礼」が基本です。
下には自分の苗字を書きましょう。
寿退社で結婚祝いと兼ねてお祝いをもらったときは、水引は「紅白の結び切り」、表書きは「結婚内祝」とします。
お返しを贈ることで、かえって相手に気を使わせてしまいそうな場合は、代わりにお中元やお歳暮を贈るのもいい方法です。その際には、「頂いた食事券で久しぶりに妻との外食を楽しむことができました」など、退職祝いのお礼であることがわかるようにメッセージを添えるといいでしょう。
退職祝いのお返しの相場は?
受け取った品物の価格の半額から3分の1程度の額が目安です。取引先や上司には半額程度を、同僚や部下なら3分の1程度にしておくと無難です。
退職祝いのお返しに何を贈るべきか?
相手別に退職祝いのお返しの定番品や、おすすめの品物をご紹介します。
個別に贈る場合
相手の好みを熟知しているような親しい間柄なら、趣味の品や好きな食べ物、お酒などが定番です。
関係がそこまで濃くない間柄であれば、高級感のある文房具や高級タオル、ハンドクリームなどの日用品もよく選ばれています。
部署の同僚一同に贈る場合
個別包装のお菓子の詰め合わせや、コーヒー・お茶といったオフィスで消費できる飲み物、オフィスに飾ることができる観葉植物などが定番です。
また、一人ひとりに贈る場合は、ハンドタオルやハンカチ、マグカップなど、会社でも使える実用品を贈るといいでしょう。かわいらしい入浴剤やタオルなども人気があります。
家族に贈る場合
退職のお祝いに、子供たちや妻(もしくは夫)からプレゼントをもらった場合も、やはりお返しをするのがいいでしょう。格式ばる必要はまったくありません。
例えば、キッチン用品や掃除用品、趣味の品がおすすめです。子供なら好みを聞いた上で、ほしい物を贈るといいでしょう。
退職のお祝いをしてくれた方の顔を思い浮かべながら、プレゼントを選んでみてください。きっと喜んでいただけますよ。