「お中元」を贈るとき、気持ちを上手に伝えるには、マナーを守ることと相手に合わせた贈りもの・贈り方にすることがポイントです。
水引・熨斗(のし)のマナー、金額の相場など基本のマナーに加え、様々なケースに合わせた贈るタイミングなど、「お中元」でよくあるご質問(FAQ)をご紹介します。
※地域の慣習などにより異なる場合もあります。迷ったときは、ご両親・身近な方など、地域の慣習に詳しい方に相談しましょう。
Q お中元とは?
A お中元は、中国の「三元」という行事が起源です。
「上元、中元、下元」のうちの中元が、仏教の行事であった「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と結び付くことで、ご先祖様のためのお供え物を近隣に配る行事となりました。宗教行事の色合いが強かったお中元は、その後、「お世話になった方への贈り物」という風習に変化していったといわれています。
現在のお中元は、おもに東日本では7月の初旬から15日まで、西日本では8月初旬から15日までのあいだに、お世話になった方や離れて暮らす親族に対して贈り物をする行事となっています。
Q お中元をもらったらお返しがいる?
A お中元を初めてもらった場合や、思わぬ方からお中元をいただいてしまった場合、「お返しをしなければいけないだろうか」と不安になることもあるのではないでしょうか。基本的にお中元というのは、「いつもお世話になっております」というお礼を込めて、目下の人から目上の人へとお贈りする物です。ですから、子供夫婦から親夫婦へ、あるいは、部下から上司へ、弟子から師匠へと贈るのが、お中元の基本なのです。
お中元をお返しするということは、「こちらもお世話になっております」ということになりますが、目下の人からお中元が贈られた場合は、基本的にお返しをする必要はありません。とはいえ、もらいっぱなしで良いということではありません。お中元が届いたら、なるべく早くお礼状を書いて送るようにしてください。 また、友人同士や同僚、兄弟など、同じ立場の方からお中元をいただいた場合や、万が一、目上の方からお中元をいただいた場合は、お返しをするようにしましょう。
Q 金額の目安はいくら?
A お中元用の商品には、2,000円程度の気軽な物から20,000円を超える物まで、さまざまな価格帯が用意されています。しかし、一般的には、贈る側も受け取る側も負担になりにくい、3,000円から5,000円程度の価格帯の物がよく利用されています。
お中元は、継続して毎年贈る物ですから、あまり高額な品物のやりとりが続くと家計に響くこともあります。また、受け取る側も、いかにも高そうな品物だと、「お返しをしないと悪いかもしれない」といった気遣いをさせることもあります。お相手との関係や家庭環境などを加味した上で、無理のない予算での贈り物を検討しましょう。
Q お中元の「熨斗(のし)」は?
A お中元ののしは、紅白の蝶結びで、表書きは「御中元」となります。
ただし、贈り先が喪中である場合は、無地ののしか、短冊を利用しましょう。贈り主の名前は、下部にフルネームで記名します。連名の場合は3名までで、立場順に右側から記載します。それ以上の人数になる場合は、代表者の氏名を書いた左側に「他一同」と書き添えましょう。
Q お中元のお返しをお贈りするときの注意点は?
A いただいたお中元のお返しをする場合、お中元の時期が過ぎてしまう場合もあります。そのようなときは、残暑見舞いとして贈るといいでしょう。とはいえ、いただいた物へのお返しは、なるべく早くしたいものです。こちらがお中元のお返しとして贈ってきたということは、先方もわかった上で受け取るので、添え状の文面も一般的なものではなく、いただいた品物に対するお礼や感想を添えて送るのがいいでしょう。
お中元のお返しをする際は、いただいた品物の金額と同等の物を選びますが、より高い品物を贈ることは避けましょう。いただいた物よりも高額の物を返すのは、「次からは贈らないでください」という意味になってしまい、たいへん失礼にあたるので注意してください。