新築祝いは新築物件への引っ越しをお祝いするギフトです。新築祝いをいただいたときはお礼状を返すのがマナーですが、お礼状の書き方がわからずに困っているという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、新築祝いのお礼状の書き方についてご紹介します。一般的なお礼状の構成や例文も交えて、マナーに沿った新築祝いのお礼状の書き方を解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
新築祝いのお礼状に書く内容
新築祝いのお礼状は定型に沿って作成するのがおすすめです。基本的なマナーに則って、お礼状を書くことを意識しましょう。ここではお礼状の基本的な構成や、記載しておきたい内容を解説します。初めて新築祝いのお礼状を書く方は、まずはこちらから確認しましょう。
1.頭語・結語
フォーマルな手紙では冒頭に頭語、最後に結語を置くのが一般的です。親しい相手への手紙では省略することもあります。頭語と結語はいくつか種類がありますが、それぞれセットで用いるのが特徴です。状況に応じて適切な組み合わせを選びましょう。
多くの場合、一般的な手紙では「拝啓・敬具」の組み合わせを、改まった手紙では「謹啓・敬白」を用います。新築祝いのお礼状では「拝啓・敬具」を使うのがおすすめです。前文を省略する手紙では「前略・草々」や「冠省・不一」、急用の場合は「急啓・草々」、「急呈・不一」といったバリエーションもあることも覚えておきましょう。
2.時候の挨拶
時候の挨拶は頭語に続く書き出しの文です。季節に合わせて天候や自然にまつわる言葉を盛り込んで書くのが特徴で、四季の情緒が豊かな日本らしい伝統といえるかもしれません。
時候の挨拶は暦に応じた内容を書くのも大きな特徴といえるでしょう。1月には1月の、2月には2月にふさわしい挨拶があるので、手紙を書く時期によって使い分けるのが大切です。親しい相手には定型に縛られないカジュアルな表現で書いても問題ありません。
3.相手の健康を気遣う言葉
時候の挨拶の次は、相手の体調を気遣う前文につなげるのが一般的です。こちらも季節の状況を踏まえて書くのが大切なので、適切な言葉を選びましょう。寒い冬の時期は「ここ最近の寒さは身にこたえますが風邪など召されていませんでしょうか」、暑さが厳しい夏では「暑い日続きですが、皆様いかがお過ごしょうか」といった文が一般的です。
4.新築祝いへのお礼
本題の新築祝いをいただいたことへのお礼に入ります。何をいただいてどう思ったのかをできるだけ具体的に書くと、より相手に感謝の気持ちが伝わるでしょう。自分の家について書くときは、「小宅」「拙宅」とへりくだった表現を用いることに留意するのも大事です。
花をいただいたのであれば「さっそく書斎に飾ったところ、見るたびに心が潤います」、実用品をいただいた場合は「頂戴いたしました品は、さっそく使わせていただいております」などと書きます。
5.近況報告
近況報告は特別な出来事ではなく、日常の何気ない光景や自分の安否について書きましょう。相手との親交を深めることを意識して、堅い内容ではなく気軽な言葉で伝えて大丈夫です。自慢と受け取られない内容にするように気をつけながら今後もよい関係を築いていきたい旨を伝えましょう。
「新居の片付けが一息ついてほっとしている」「新しい環境にも慣れて生活のリズムが整ってきた」といった内容から、ぜひ一度新居を訪れてほしいとつなげる書き方が多く見られます。
6.お返しの品について
お返しの品を送ったことの報告を行います。ここで、「お返し」という言葉を使わないように気をつけましょう。お返しではなく「内祝い」と表現するのがマナーです。
書き方に迷ったときは「心ばかりの内祝いの品を送らせていただきました」「ささやかではございますが、内祝いの品を同封いたしました」「気持ちばかりの内祝いをお送りいたしましたので、ご笑納ください」というように書くとよいでしょう。
時候の挨拶の例
続いて月ごとの時候の挨拶の書き方を確認しましょう。時候の挨拶は月ごとに異なる内容を書く必要があるため、把握するのが大変で困っている方もいるかもしれません。こちらでそれぞれの月に応じた時候の挨拶と、親しい方への挨拶の例を確認しましょう。挨拶に取り入れたい季語もあわせてご紹介します。
1月
【1月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・新春の候
・厳寒の候
・頌春の候
・寒に入り
・初春にふさわしい、のどかな天気が続いております。
・風花の舞う今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。
親しい相手の場合の例
・新年あけましておめでとうございます。どのようなお正月をお過ごしでしたでしょうか。
・正月の気配がようやく薄れ、いつもの日常がもどってまいりました。
【1月の季語】
・動物:うぐいす・鶴・白鳥・さぎ など
・植物:福寿草・春の七草・松竹梅・水仙 など
・風物:初詣・書き初め・鏡開き・お年玉・成人式 など
2月
【2月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・向春の候
・梅香匂うころ
・晩冬の候
・余寒の候
・梅のつぼみが膨らみはじめる時期となりました。
・春一番の訪れとともに、寒さもようやく息をひそめてまいりました。
親しい相手の場合の例
・厳しい寒さが身にしみる時期となりましたが、お体はいかがでしょうか。
・春が来るまでは、まだしばし時間があるようです。
【2月の季語】
・動物:ひばり・うぐいす・わかさぎ など
・植物:梅・猫柳・雪割草・喇叭水仙(ラッパスイセン) など
・風物:梅見・バレンタインデー・豆まき・麦踏み など
3月
【3月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・陽春の候
・霞立つ春
・早春の候
・春和の候
・暖かな陽の光が春の訪れを告げる時期となりました。
・春まだ浅く冷たい風が吹くこのごろ~。
親しい相手の場合の例
・袴姿の女性をよく見かける卒業式の時期となりました。
・心地よい春風が吹くようになり、桜が花開くまであと少しです。
【3月の季語】
・動物:鷽(うそ)・燕(つばめ)・雉(きじ) など
・植物:桃・桜・沈丁花・スイートピー など
・風物:雛祭り・卒業・ホワイトデー・お彼岸・春休み など
4月
【4月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・春暖の候
・桜花匂うころ
・仲春の候
・桜花爛漫の候
・すっかり春らしくなってまいりました。
・いつしか桜も散り始めましたが~。
親しい相手の場合の例
・そろそろゴールデンウィークを迎えますが、予定はお決まりでしょうか。
・暖かな春風を感じる華やかなころになりました。
【4月の季語】
・動物:雲雀(ひばり)・雀・蝶々 など
・植物:桜・チューリップ・キンポウゲ・卯の花 など
・風物:お花見・入学・花吹雪・草もち・潮干狩り など
5月
【5月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・薫風の候
・薄暑の候
・晩春の候
・新緑の候
・さわやかな風が吹き青葉が茂るころとなりました。
・暦の上では立夏を迎え、美しい空が広がります。
親しい相手の場合の例
・日の温かさが感じられる、生気満ち溢れる時節到来となりました。
・過ごしやすい季節となり、半袖姿の子どもも目に映るようになりました。
【5月の季語】
・動物:ホトトギス・カッコウ・おたまじゃくし など
・植物:新緑・カーネーション・若葉・アカシア など
・風物:田植え・鯉のぼり・五月雨・ゴールデンウィーク・茶摘み など
6月
【6月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・入梅の候
・初夏の候
・向暑の候
・長雨の候
・アジサイの花が鮮やかな色を付ける季節となりました。
・梅雨空の表情が気になるこのごろ、いかがお過ごしでしょうか。
親しい相手の場合の例
・梅雨明けが待ち遠しい時節ですが、体調を崩してはいませんでしょうか。
・雨が続く時期ではございますが、そちらの空模様はいかがでしょうか。
【6月の季語】
・動物:かたつむり・ひぐらし・蛙 など
・植物:アジサイ・あやめ・青梅・かきつばた など
・風物:梅雨・衣替え・五月雨・田植え・父の日 など
7月
【7月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・仲夏の候
・早星の候
・盛夏の候
・真夏の候
・夏らしい暑さが感じられる今日このごろ~
・日を追うごとに日の長さが感じられるようになりました。
親しい相手の場合の例
・ひまわりが咲きはじめる夏らしい光景が見られるようになりました。
・夏バテが心配される季節になりました。暑さには気をつけましょう。
【7月の季語】
・動物:蝉・カブト虫・てんとう虫 など
・植物:月見草・朝顔・睡蓮・グラジオラス など
・風物:七夕祭り・夏休み・五月雨・海開き・お盆 など
8月
【8月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・晩夏の候
・新涼の候
・残暑厳しき折
・暮夏の候
・暦の上では立秋を迎えたとはいえ、猛暑が続く日々です。
・ようやく暑さも盛りを過ぎ、ますますご壮健のことと存じます。
親しい相手の場合の例
・夏祭りのにぎやかな声が聞こえてきます。
・暑さが続き秋の訪れが恋しくなりますが、お体の疲れは大丈夫でしょうか。
【8月の季語】
・動物:ツクツクボウシ・やどかり・トンボ など
・植物:ひまわり・すいか・とうもろこし・かぼちゃ など
・風物:盆踊り・夏休み・花火大会・里帰り・お盆 など
9月
【9月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・爽涼の候
・白露の候
・初秋の候
・月愛でるころ
・秋風が感じられ、過ごしやすい季節となりました。
・竜胆が揺れる穏やかなころとなりました。
親しい相手の場合の例
・少しずつ日が短くなり、秋の訪れを肌で感じられるようになりました。
・過ごしやすい時期になりましたね。
【9月の季語】
・動物:コオロギ・鈴虫・キリギリス など
・植物:秋の七草・彼岸花・コスモス・鶏頭 など
・風物:お月見・台風・新学期・野分け・菊の節句 など
10月
【10月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・清秋の候
・紅葉のころ
・仲秋の候
・秋冷の候
・すっかり秋が深まるこのごろ~
・木々の葉がきれいに色づく様子が目を惹きます。
親しい相手の場合の例
・近ごろはだいぶ朝晩が涼しくなりました。
・食欲、スポーツ、読書の秋といわれますが、どのような秋をお過ごしでしょうか。
【10月の季語】
・動物:秋刀魚・むくどり・みのむし など
・植物:木犀・桔梗・柿・紅葉 など
・風物:秋祭り・運動会・菊人形・栗拾い・きのこ狩り など
11月
【11月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・向寒の候
・初霜の候
・晩秋の候
・落葉舞うころ
・冬の足音が近づいてまいりました。
・秋も深まりすっかり冷え込むようになりました。
親しい相手の場合の例
・温かい料理が恋しくなる季節となりました。
・山々を紅葉が美しく染める時節ですが、体調を崩してはいないでしょうか。
【11月の季語】
・動物:鷲・鳶(とんび)・百舌鳥 など
・植物:菊・大根・茶の花・ポインセチア など
・風物:木枯らし・時雨・文化祭・七五三 など
12月
【12月の時候の挨拶】
改まった手紙の場合の例
・寒冷の候
・年の瀬を迎え
・師走の候
・初氷の候
・日ごとに寒さが増してゆく今日このごろ~
・年の瀬も迫り、慌ただしい時期となりました。
親しい相手の場合の例
・街はクリスマスに染まり、イルミネーションが目に眩しい時期です。
・気づけば師走を迎え、今年もあと残りわずかとなりました。
【12月の季語】
・動物:白鳥・兎・おしどり など
・植物:寒菊・シクラメン・椿・白菜 など
・風物:クリスマス・忘年会・冬休み・年越し など
新築祝いのお礼状の例文
新築祝いのお礼状は相手に合わせた書き分けが大切です。関係性や距離感によって言葉を選び、文章全体の雰囲気を整えましょう。こちらでは家族・親戚に出す場合、友人に出す場合、上司に出す場合のケース別に例文をご紹介します。
家族・親戚に出す場合
・両親へのお礼状の例文
拝啓
暑さが日増しに厳しくなってまいりました。お父様もお母様も、お元気でいらっしゃいますか。さて、先日は新居完成のお祝いにジュースの詰め合わせを頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。子どもたちが大喜びで、毎日のようにいただいております。ますます暑さが増してまいりますが、いただいたジュースでビタミンを補給し、親子ともども元気でこの夏を過ごせそうです。
おかげさまで新しい住まいにも慣れ、家族それぞれの生活リズムが整いつつあります。いつでもぜひ足をお運びください。なお、ささやかながら内祝いの品を同封いたしましたので、お納めくださいませ。
季節の変わり目ですので、お父様もお母様もどうぞお体を大切にお過ごしください。
まずは書中にて、御礼申し上げます。
敬具
友人に出す場合
・親しい友人へのお礼状の例文
段々と涼しくなってきましたが、みなさん体調は大丈夫でしょうか。先日は素敵な新築祝いを贈ってくださり本当にありがとう。いただいた花瓶はさっそく玄関で飾らせてもらっています。新居に雰囲気がぴったりで、見るたびに心が潤います。素晴らしいセンスだと感心しています。
おかげさまでようやく引っ越しの片付けも落ち着いて、新しい生活にも慣れてきました。引っ越し先は少し会社から遠くなりましたが、周りは自然が多く、落ち着いた環境が肌に合っているようです。とても静かでゆったりした場所なので、ぜひ一度遊びに来てください。一緒に食事やお酒を楽しみましょう。楽しみに待っています。なお、心ばかりの内祝いの品を同封したので、みなさんで召し上がってください。
今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いします。まずはお礼まで。
上司に出す場合
・上司へのお礼状の例文
拝啓
寒冷の候、○○様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。この度は拙宅の新築にあたりまして、ご丁寧なお祝いの品をいただき、心よりお礼申し上げます。○○様にいただいた立派な食器の落ち着きあるデザインはどのような料理にも映え、食卓を豊かに飾ってくれています。妻も料理をする楽しみが増えたとよろこんでおりました。
おかげさまで新たな環境にも慣れ、落ち着きを取り戻してきたところです。これからは新居にて○○様ご夫婦を目標に、力を合わせて笑顔の絶えない家庭を築いていく所存です。未熟ゆえ至らぬことも多々ございますが、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
こちらへお出かけの折には、ぜひ皆様でお立ち寄りくださいますよう、あらためてご案内申し上げます。略儀ながら書中でのお礼のみにて失礼いたします。
敬具
まとめ
この記事では、新築祝いのお礼状の書き方について解説しました。お礼状を書く際は、一般的な構成に沿って作成するのが大事です。時候の挨拶や新築祝いへのお礼を盛り込んで、相手との関係性に応じた文章を書くように心がけましょう。
時候の挨拶には月ごとの定型や、その時期の天候・自然に触れる書き方があります。お礼状を書いた時期に合わせて適切な言葉選びをしましょう。もしもお礼状の書き方に迷ったときは例文を参考にしてみてください。丁寧な文面を意識して、感謝の気持ちが伝わる文章にするのが大切です。
新築祝いのお礼状と一緒に贈る内祝いのギフトを選ぶ際は、ぜひハーモニックをご利用ください。贈られた方がお好みの品を選べるカタログギフトはさまざまなシーンでお使いいただけます。ご質問も承っていますので、ギフトの選び方やマナーについてわからないことがあれば、どんな些細なことでもかまいませんので遠慮なくお問い合わせください。