結婚祝いでは「のし紙」と「10本の水引」を用いるのが一般的なマナーです。表書きの上段には「寿」「御祝」「御結婚御祝」、下段には「贈り主のフルネーム」を記載します。連名の場合は「○○一同」とするか、代表者を中心に記載し、左に向かって書き記します。品物にのし紙をかける場合は「手渡し=外のし」「郵送=内のし」と覚えておきましょう。
結婚祝いを贈る際、のしをかける際の水引の色や本数、書き方なども正しい知識を身に付ける必要があります。この記事では、結婚祝いの「のし」のポイントについてご紹介します。
結婚祝いの「のし」の書き方3つのステップ
結婚祝いの品物や結婚式に参列する際に現金を包む場合は「のし」を掛けてお渡しするのがマナーです。
まずは、のし紙の選び方や書き方を3ステップで解説します。
1.のしを選ぶ
結婚祝いでは、品物であっても現金であっても、のし紙をかけて贈るのがマナーです。のし紙とは、掛け紙の中で「のし」が付いているもののことを指します。のしは、本来お祝いに添えていた”鮑を薄く伸ばしたもの”を指していました。
現在では、掛け紙に印刷されている場合がほとんどです。古くから、縁起の良い事柄でのお祝いの際に使われていたものなので、結婚祝いでは必ずのし付きの掛け紙、いわゆる「のし紙」を選ぶようにしましょう。
2.水引を選ぶ
お祝いの品には、のし紙を掛けた後に「水引」と呼ばれる飾り紐を結びます。近年は、掛け紙に印刷されているか、ご祝儀袋に水引がセットになっている場合がほとんどです。
水引は、何本か重ねて使用します。お祝い事では5本や7本などの奇数が基本とされています。しかし、結婚祝いだけは「10本」のものが使用され「5本が2倍で幸せも2倍になる」「2人で夫婦」という意味が込められています。
水引の結び方にも種類があり、それぞれに意味があります。結婚祝いで使われる結び方は、以下を参考にしてください。
<結婚式に相応しい水引>
・結び切り
・あわじ結び
<結婚式でNGな水引>
・蝶結び
結婚祝いでは、一度結ぶとほどけないという意味から「結び切り」を選ぶことがほとんどです。蝶結びは、ほどいて何度も結ぶことができるため、結婚祝いには相応しくありません。結婚祝いでは用いないように注意しましょう。
3.表書きの書き方
のし紙には、包んだ品や現金の目的に応じて「表書き」を記します。書き方は以下の通りです。
<上段>
・寿
・御祝
・御結婚御祝
<下段>
・自分の名前フルネーム
結婚祝いの場合は、水引より上の部分に「御祝」や「寿」「御結婚御祝」と書くのが一般的です。このとき、縁起が悪いとされるため「御結婚祝」などと4文字にならないように注意が必要です。
水引から下の部分には、誰からのお祝い品なのか分かるように自分の名前をフルネームで書きましょう。
表書きを書くときは、筆ペン・サインペンなど太くて色がしっかりしたものを使います。ボールペンや薄墨を使うのはNGです。
結婚祝いの「のし」ー現金を包む場合
結婚式へ参列する場合など結婚祝いとしてご祝儀袋に現金を包む場合は、お札を中袋に入れてから、のしの付いた表袋をかけます。
表書きのように、中袋にも金額や名前などを記入する必要があります。以下にて解説します。
中袋の表側には金額を記入
中袋の表面には、誰にいくらもらったのか分からなくならないように、包んだ金額を記載します。金額を書く際には、改ざんや不正を防ぐために、旧字体を使用するのがスマートです。表書きと同じく、筆ペンやサインペンを使用し、「金○萬円」と記載しましょう。
一 | 壱 |
---|---|
二 | 弐 |
三 | 参 |
五 | 伍 |
六 | 六 |
七 | 七 |
八 | 八 |
九 | 九 |
十 | 拾 |
なお、10万円以上の高額を包む場合は、金額の最後に「也」を付けます。
中袋の裏側には自分の名前を記入
中袋の裏側、左下の部分には、誰からいくらもらったのか整理しやすいように、名前と住所を記載します。
住所は、内祝いを用意する際にも使用されます。新郎新婦に余計な手間を与えないためにもしっかりと記載しておきましょう。
【ポイント】お札の入れ方
お祝い事で包む現金には、気持ちを表すためにも、折り目のない「新札」を用意するのがマナーです。銀行や郵便局で新札に両替できるので、事前に用意しておきましょう。お札を入れるタイミングは、中袋への記入を済ませたあとです。
お札に描かれた人物を左に90度動かした向きで、顔が表側にくるようにして入れます。
結婚祝いの「のし」ー品物を包む場合
結婚祝いとして品物を贈る際にも、のしの付いた掛け紙を掛けるのがマナーです。品物の渡し方によって、のしの掛け方が異なる点に注意しましょう。
「外のし」と「内のし」
のし紙を掛ける際には、包装紙の上から掛ける「外のし」と包装紙の中でのし紙を掛ける「内のし」の2種類の方法があります。
どちらで用意するのか、明確に決まっているわけではありませんが、手渡しするか、郵送するのかによって以下のように使い分けると良いでしょう。
<手渡し>
・外のし
<郵送>
・内のし
手渡しでお祝いを渡す場合、何のお祝いなのか一目で分かるように外のしにするのが一般的です。一方、お祝いを郵送する場合には、配送中にのし紙が破けたり、汚れたりするのを防ぐ意味も兼ねて、内のしにした方が良いとされています。
結婚祝いの「のし」ー気になる疑問
結婚祝いにかける「のし」は、そのときの状況に応じて適切な選び方や書き方があります。以下では「こんなときはどうすればいいの?」といった気になる疑問について、解説します。
夫婦・家族で贈りたい
一家で結婚式に招待された際や家族ぐるみで仲の良い人への結婚祝いの場合、表書きの書き方に悩むことがあるでしょう。
2パターンの方法があり「全員の名前を書く」方法と「夫の氏名+他家族一同」と書く方法があります。
全員の名前を書く場合は、右から「夫の氏名・妻の名・子の名」の順に書きます。家族が多い場合や、短冊に書く場合は「夫の氏名+他家族一同」とした方がスマートです。
夫婦連名にする場合は、夫の氏名を中央に、妻の名をその左に書きます。妻の苗字は書いても書かなくてもどちらでもかまいません。
職場の人たちと連名で贈りたい
職場の人と連名でお祝いを贈る場合も、表書きに悩む代表的なケースです。まず、役職や年齢が上の人の氏名を中央に書き、以下、左へ順に書いていきます。特に誰が上というのもない場合は、五十音に書くと良いでしょう。
なお、表書きに記載する連名は3名までとし、人数が多い場合は「○○一同」と記載した上で、中に全員分の名前を書いた紙を入れるケースがほとんどです。
表書きに無理に全員の名前を記載して、インパクトが大きくなってしまわないように注意しましょう。
おしゃれなご祝儀袋が使いたい
近年、ご祝儀袋はさまざまな種類が販売されています。デザインも豊富なので、できれば華やかでおしゃれなものを使いたいという方もいるでしょう。
結婚祝いは「おめでとう」の気持ちを伝えるものですから、相手との関係性に応じて、おしゃれなご祝儀袋を使うのは全く問題ありません。
ただし、注意しなければいけないのが「包む金額と袋の豪華さは比例する」という点です。
数万円を包む際に、高価で派手なご祝儀袋を使うのは不釣り合いです。一方、拾萬円を超える金額を包む場合のご祝儀袋は、和紙で作られているものや金銀の水引に鶴亀がデザインされているものなど見た目が豪華なものを選ぶ必要があります。
ご祝儀袋を購入する際、目安となる金額が書かれていることもあるので、参考にして適したものを購入するようにしましょう。
「のし」マナーを押さえて気持ちの伝わる結婚祝いを贈ろう
結婚祝いで品物や現金を贈る場合には、「のし」を付けるのがマナーです。新郎新婦だけでなく、親族の方にも失礼がないように、まずは基本マナーをしっかりと把握して、大人として恥じないように対応しましょう。
本記事で紹介した基本的なマナーを参考に、状況や相手との関係性に応じて、気持ちの伝わる素敵な結婚祝いを用意してください。