結婚祝いの手紙は相手に合わせて書き方や内容を変える必要があります。日常であまり使わない言葉や言い回しもあり「文章が思いつかない」という方もいるのではないでしょうか。
結婚祝いの手紙は新郎新婦への祝福の気持ちを伝えることが大切です。相手ごとに書き方のポイントや例文を知っていると、よりお祝いの気持ちの伝わる手紙が書けるでしょう。この記事では、実際に使える例文や喜ばれる手紙の書き方のポイントをご紹介します。
結婚祝いには手紙を添えて気持ちを伝えよう
贈りものには手紙を添えるのが正式なマナーです。結婚祝いに添える手紙には「品物を送りました」という報告と「贈りものに込めた気持ちを伝える」という二つの役割があります。手紙がなく品物だけが届くと「何に対しての贈りものか」ということが伝わりづらくなります。
相手によっては事前に手紙を送るとかえって気を遣わせることもあるでしょう。事前に手紙を送らない場合は結婚祝いと一緒に手紙を同封します。
手紙があると気持ちが伝わりやすい
結婚祝いに手紙を添えることで祝福の気持ちが伝わりやすくなります。祝福の言葉はすぐに送れるメールや電話で伝えてもよいと思う人もいるでしょう。しかし、手紙には電子機器や口頭とは違う温かみがあり、文字にも人柄が表れます。相手の顔を思い浮かべながら丁寧に書いた手紙は読んだ人の心に残りやすいものです。
親しい相手の結婚なら「あらためて言葉にしなくてもよいのではないか」と考える人もいるかもしれません。心の中で思っていても相手には伝わっていないこともあります。感謝の気持ちを手紙にすることで、より気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
送る時期にも気を付けよう
結婚祝いに添える手紙は送る時期によって書く内容を変えましょう。時候の挨拶を書くなら季節に合った言葉を選びます。手紙を書くときはそのような定型文を参考にしながら、自分らしい言葉でしたためることが大切です。慣用句や定型のままで書くとお祝いの気持ちが伝わらないだけでなく、失礼な印象を与えてしまうかもしれません。
式の前に送るなら結婚式に招待してもらったことへのお礼や、晴れ姿を楽しみにしていることを書いてもよいでしょう。式までに結婚祝いの用意が間に合わなかった場合は、相手に関わらず遅れたことをお詫びする内容を記載します。手紙を書くときは慣用句や定型文をそのまま書かず、相手に合った内容になっているか確認しましょう。
結婚祝いの手紙の基本的な書き方と構成
結婚祝いの手紙は、書き方を間違えると失礼な印象を与えてしまうことがあります。言葉選びや構成など、基本的なルールに沿って書くことが大切です。構成は大きくわけると5つの項目があります。基本的な構成と各項目で書くべき内容を参考にして、失礼がないように心がけましょう。
1.頭語
書き始めは、「拝啓」「謹啓」が決まり言葉です。丁寧な言葉ですが、友人や同僚など近い立場の人に対しても使用することがあります。
次に、時候のあいさつとして季節に応じた言葉を添えましょう。たとえば5月に贈る場合、「拝啓 若葉の緑が美しい季節になりました」「謹啓 新緑の候」などの言葉を選びます。
2.前文
前文では、お祝いの言葉を伝えましょう。言葉の選び方は相手によって変えるとよいでしょう。いずれにしても、祝福の気持ちが伝わるように心のこもったメッセージを贈ることが基本です。
「ご結婚のお知らせをうかがい心からお祝い申し上げます お二人の末永い健康とご多幸をお祈りいたします」「このたびはご結婚おめでとうございます いつまでも笑顔いっぱいの家庭を築いてね」のような文章にします。
3.本文
本文では、お祝いの品を贈ったことを伝えます。「つきましては お祝いの品を同封しましたので ご笑納くださいませ」「ささやかですが お祝いの品を贈ります」のようなメッセージを贈りましょう。
手紙とお祝いの品が別便になる場合は、その旨を伝えます。「お祝いの品を別便にてお送りしましたので お納めいただけますと幸いです」のように書き添えましょう。
4.末文
直接手渡しできないことを詫びる一文を最後に添えます。「略儀ながら」という言葉を使うのが一般的です。たとえば、「略儀ながら書面にてお祝い申し上げます」「略儀ではございますが書面にてお祝いを申し上げるとともに 不参のお詫びを申し上げます」などの言葉で文章を締めましょう。
5.結語
最後に、「当日におふたりの晴れ姿を拝見できることを楽しみにしております」「おふたりの末永い幸せをお祈り申し上げます」など締めの一文を書きます。お祝いの文章をすべて書き終えたら、結語として「敬具」「敬白」などと書いて締めましょう。女性が書く場合は、「かしこ」という言葉を用いることもあります。
【相手別】結婚祝いの手紙の例文
手紙を書くときは相手との関係性によって文章の書き方を変えましょう。目上の人に対しては礼儀をわきまえ、丁寧な言葉遣いを心がけます。親しい友人や後輩への手紙では硬すぎる文章だとかえってよそよそしく感じ、お祝いの気持ちが伝わりにくいかもしれません。
手紙を受け取った人が読んでいて心地よいと感じられるよう、相手に合わせて文章を工夫しましょう。
友人に送る場合
友人への手紙は硬すぎない文体で素直に祝福の気持ちを伝えます。親しい間柄であれば時候の挨拶や頭語・結語といった手紙を書く上でのマナーは省略してもよいでしょう。親しみやすさを重視する場合は、話し言葉や相手に語りかけるような言葉遣いもおすすめです。
ただし、結婚は人生の重要ななお祝いごとのため、失礼な印象を与えないように配慮することが大切です。言葉遣いには注意し、手紙の中にエピソードを盛り込む場合は相手を下げる内容を書かないようにします。「親しき中にも礼儀あり」ということを念頭に、節度を守った手紙にしましょう。
友人に送る場合
結婚おめでとうございます
〇〇さん(ちゃん)から結婚の報告を聞き 自分のことのようにうれしく思っています
おふたりのことですから 誰もがうらやむ素敵な家庭をおつくりになるでしょう
ささやかですが お祝いの気持ちを込めて〇〇を贈らせていただきます
新居に飾っていただけたらうれしいです
引っ越しが落ち着いたらぜひ新居にも遊びに行かせてください
親戚に送る場合
親戚へ結婚祝いの手紙を送る場合はパートナーが新しく親族に加わる喜びや、親戚だからこそわかるエピソードを書いても喜ばれるでしょう。幼少期から知っている相手であれば、子どものころの思い出話を書き添えるのもおすすめです。
手紙を書く相手だけでなく、結婚するパートナーに配慮した内容にするのもポイントです。「これからよろしくお願いします」といった挨拶が一言あると、今後の親戚関係を良好に保つきっかけとなるでしょう。
ひとつ注意したいのは、子どもに関する内容はできるだけ避けることです。比較的近い親戚関係であっても、相手によっては触れてほしくない話題かもしれません。親戚だけでなく、そのパートナーが読むことも考えながら手紙を書きましょう。
親戚への手紙の例文
ご結婚おめでとうございます
親戚が増えることを心からうれしく思っています
子どものころから優しく頼りになる〇〇のことですから きっと結婚しても素敵な旦那さんになるでしょう
いつまでも仲睦まじく幸せあふれる家庭を築いてください
ささやかながらお祝いの品を贈りました
おふたりで使っていただけたらうれしいです
〇〇(親戚の名前) 〇〇さん(パートナーの名前) おふたりの幸せを願っています
先輩や上司に送る場合
先輩や上司への手紙はマナーを守り、失礼のない文章を心がけましょう。慣用句や時候の挨拶を取り入れ、うまくお祝いの気持ちを伝えることがポイントです。
時候の挨拶の中には「厳しい」といった忌み言葉や「まだまだ」といった重ね言葉を含むことがあります。忌み言葉も重ね言葉も慶事の手紙で避けたほうがよい言葉ですので注意しましょう。
日頃お世話になっている直属の上司であれば、個人的なエピソードを盛り込むのもおすすめです。「お世話になっている」「尊敬している」といった言葉を選ぶと相手への感謝の気持ちも伝わり、より心に残る手紙になるでしょう。
先輩や上司への手紙の例文
風花の舞う季節に届いた御結婚のお知らせ 誠に喜ばしく 心よりお祝い申し上げます
お相手の方は 〇〇先輩とお似合いの明るく素敵な方と伺っております
笑顔のあふれるあたたかいご家庭になられますようお祈りいたしております
おふたりの末永い健康とご多幸をお祈り申し上げます
部下や後輩に送る場合
部下や後輩への手紙は、結婚を祝福するとともに日頃の仕事ぶりを褒める言葉や結婚生活を応援するメッセージを入れるのもおすすめです。「これからも見守っています」「頑張ってください」といった先輩目線でのアドバイスは部下や後輩も心強く思うでしょう。
結婚祝いの手紙は部下や後輩だけでなく、パートナーや親族が読むこともあります。笑い話のつもりで冗談を書くと、ほかの人が読んだときに不快に思うかもしれません。ユーモアのある内容にしたい場合は、誰が読んでも気分を害さない文章にしましょう。 司であれば、個人的なエピソードを盛り込むのもおすすめです。「お世話になっている」「尊敬している」といった言葉を選ぶと相手への感謝の気持ちも伝わり、より心に残る手紙になるでしょう。
先輩や上司への手紙の例文
ご結婚おめでとうございます
おふたりにとって最良のこの日を心からお喜び申し上げます
結婚した日の気持ちを忘れず ふたりで助け合いながら楽しい人生を歩んでください
要領がよくて気配り上手な〇〇さんでしたら 幸せな家庭を築けるでしょう
いつか新居にも遊びに行かせてください 末永くお幸せに
新郎新婦の親に送る場合
家族ぐるみで仲のよい友人や知人が結婚するときには、結婚当事者の両親にあてて手紙を送ることもあります。新郎新婦の親への手紙には、お子さん(友人・知人)が結婚されることを祝福する言葉を入れましょう。
結婚式の前に渡す手紙であれば、結婚式に招待してもらったことを感謝する言葉や式を楽しみにしていることを書いてもよいでしょう。新郎新婦の親には形式を踏まえて書き、相手を敬うときに使う「尊称(そんしょう)」と、へりくだって表現する「謙称(けんしょう)」を間違えないように注意します。
新郎新婦の親への手紙の例文
拝啓 さわやかな初夏の風が吹く季節となりました
このたびはご子息様のご結婚 心よりお祝い申し上げます
人生最良の日を迎え ご両親もさぞお喜びのことと存じます
ご披露宴にご招待をいただき ありがとうございました
おふたりの晴れ姿を心待ちにしております
新郎新婦ならびにご両家のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます 敬具
お礼の品を送る場合
結婚祝いをいただいた場合、お礼の品を結婚内祝いとして用意して送ります。お礼の品には手紙を添えるのがマナーです。お礼の品に添える手紙には「お礼の言葉」「新生活の抱負」「今後の付き合いをお願いする言葉」を書きます。いただいた結婚祝いの感想や、相手への気遣いの言葉も書くと手紙を受け取った人に喜ばれるでしょう。
手紙の最後には住所と夫婦の名前を書きます。苗字は旧姓も書き添え、必要であれば連絡先も記載しておきましょう。
はがきは略式となるため、目上の人には手書きの封書がおすすめです。お礼の品を贈る相手によってはがきと封書をうまく使い分けましょう。
お礼の品に添える手紙の例文
このたびはお心のこもった手紙とお祝いをいただき誠にありがとうございました
いただいた〇〇はさっそく新居で活躍しています
未熟なわたしたちではありますが ふたりで力を合わせ 温かい家庭を築きたく存じます
ささやかではございますが お礼の品を送らせていただました
どうぞお納めくださいませ
今後ともご指導を賜りますようお願い申し上げます
寒くなってまいりましたので お体ご自愛ください
凝った手紙も喜ばれる
大切な人の結婚を祝う手紙では、便箋やメッセージの書き方を工夫するのもおすすめです。結婚祝いの手紙は相手に失礼でなければ好きな内容、便箋を選べます。工夫を凝らした手紙は相手の目にも止まりやすく「自分のことを考えて書いてくれた」と喜ばれるでしょう。
ここでは、さらに喜ばれる結婚祝いの手紙の書き方やオリジナリティのある手紙にするヒントを紹介します。
英語のメッセージを添えてみよう
凝った手紙にしたい人は英語のメッセージを
添えてみてはいかがでしょうか。目上の人に対して贈る手紙では避けるべきですが、親しい人に対して贈る手紙には効果的です。日本語で贈るメッセージは堅苦しくなりがちですが、英語を交えると親近感がわいて喜ばれるかもしれません。
文章の最初の一文もしくは最後の一文を英語にするのがおすすめです。以下に結婚祝いに最適な英語のメッセージを集めたので、気に入ったものがあれば取り入れてみましょう。
Congratulations on your wedding.
(結婚おめでとう)Happy Wedding.
(結婚おめでとう)Congratulations.
(おめでとう)I wish you both happiness forever.
(お二人のお幸せが永遠に続きますように)Sweets Are Forever.
(いつまでもお幸せに)
可愛い便箋を使ってみよう
凝った手紙にするなら、相手に合わせて便箋を変えてみるのもおすすめです。相手のイメージに合わせて便箋の色やデザインを選ぶとよいでしょう。花をあしらった便箋や、カラフルな色使いの便箋のほか、結婚をイメージさせる便箋もあります。手紙に「〇〇さんのイメージに合う便箋を選びました」とメッセージを添えても喜ばれるでしょう。
キャラクターやモチーフが大きく描かれた便箋など、中には文章を書くスペースが少ないものもあります。書きたいことが多い場合、文字が小さすぎたり行間を詰めすぎたりすると相手が読みにくいかもしれません。便箋を選ぶときはデザインだけでなく文章を書くスペースが足りるか確認しておきましょう。
ギフトに合わせた便箋を使おう
相手に合わせて便箋を変える以外に、贈り物ごとに便箋の雰囲気を変えてみるのもよいでしょう。ギフトの色やデザインに合った便箋は統一感が出るのでおすすめです。
フォーマルな手紙では、白無地の便箋か罫線のみのシンプルな便箋を使います。封筒は白の二重封筒で、便箋をしっかり保護できるものにするのがマナーです。しかし「結婚」というお祝いに書く手紙に白無地の便箋は味気なく、寂しい雰囲気になるかもしれません。ギフトが淡色のシンプルなものであれば、明るい色や可愛らしい便箋を選ぶとよりお祝いの気持ちが伝わりやすいでしょう。
結婚祝いの手紙にまつわるマナー
結婚祝いには贈るタイミングにもマナーがあり、手紙を書くときに使うペンや封筒・紙の選び方にもマナーがあります。これを心得ていないと恥をかくだけではなく、受け取った新郎新婦が嫌な思いをするかもしれません。マナーを心得てから手紙を贈りましょう。
結婚祝いを贈るタイミングは?
結婚祝いの品を贈る最適なタイミングは、結婚式・披露宴の1か月前~2か月前だといわれています。本来は、吉日とされる大安、一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)、天赦日(てんしゃび)の午前中に、ご自宅へ伺い手渡しでお祝いの品を渡すのが「正式なスタイル」です。しかし今では、「正式なスタイル」はほとんど行われていません。
事情があり遅くなる場合でも、挙式1週間前までに贈るのがマナーです。当日に贈るのは避けましょう。当日までに間に合わない場合は、あらかじめ手紙でその旨を詫び、後日お祝いの品を贈るとマナー違反になりません。
結婚祝いの手紙は筆ペンか万年筆
文章を書くときに使用するのは、筆ペンか万年筆がおすすめです。「細かい部分まで気を配っていて丁寧」という印象が伝わります。どうしても用意ができない場合は、黒インクのボールペンや、黒に近い濃い青のボールペンを使用しましょう。
仲のよい友人に贈る手紙で堅苦しい印象を与えたくない場合でも、1枚は一般的なマナーに沿って書いた手紙を用意するのがおすすめです。別でもう1枚、カラフルなペンで自由に書いた手紙を添えたり、色紙を用意したりするとよいでしょう。
過剰過ぎる文面・お世辞・長文はNG
結婚祝いの内容でNGとされていることは、「過剰過ぎる文面」「お世辞」「長文」です。すべて書き終えたら、NGとされている内容になっていないか再度確認をしましょう。
離婚や再婚を連想させる言葉の使用もNGです。たとえば「帰る」「冷える」「戻る」「離れる」「切る」「別れる」などの忌み言葉の使用は避けましょう。ほかに「再び」「再度」「しばしば」「いよいよ」「ますます」「いろいろ」などの重ね言葉もNGです。
結婚祝いの手紙では、終わりを意味する句読点の使用も避けたほうがよいとされています。句読点の代わりに空白をつくりながら文章を書くとよいでしょう。
封筒などの紙は相手に合わせて選ぶ
封筒や便箋は自分の好みで選ばず、新郎新婦の雰囲気に合うものを選びましょう。新郎新婦の趣味を把握している場合は、趣味に関する絵柄が入った紙を選ぶと喜んでもらえるかもしれません。
手紙に「おふたりのイメージにぴったりの便箋を選びました」と簡単に一言添えるのもおすすめです。気持ちを込めて手紙を贈ったことが伝わり、新郎新婦も喜びが増すでしょう。
結婚式・披露宴を欠席した場合
手紙の内容は基本的な構成に加え、ご祝儀を贈る旨、挙式に参列できないことへのお詫びの文章を入れるのがよいでしょう。「ささやかではありますがお祝いをお送りします」「ぜひ参列したかったのですが○○で出席できずたいへん残念です」「お二人の晴れ姿をぜひ写真で見せてくださいね」などとすると、お祝いと残念な気持ちが伝わります。
まとめ
結婚祝いには手紙を添えることで祝福の気持ちがより伝わります。文章は相手との関係性によって内容を変え、目上の人には礼儀を守って失礼のない手紙にしましょう。親しい相手には英語のメッセージを入れたり、可愛い便箋を使ったりするのもおすすめです。
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