香典をいただいたときのお礼やお返しとして贈る品物を「香典返し」といいます。この香典返しを何らかの理由によって辞退する場合、遺族にその旨をどう伝えるのが正しいマナーなのでしょうか。
そもそも、香典返しをお断りすることはマナー違反にならないのか、気になりますよね。そこで今回は、香典返しを辞退する理由や伝え方、失礼にあたらない辞退の方法などについて解説します。
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香典返しとは?
香典返しとは、香典をいただいた際に、お礼として遺族が贈る品物のことです。香典は、故人を偲び、供養の気持ちを込めて贈られるもの。香典返しは、そんな香典の気持ちに応えて、滞りなく法要を済ませられたことに対するお礼や、参列してくれた感謝の気持ちを示すために贈ります。
香典返しの受け取りを辞退することは可能
香典返しは、受け取りを辞退することもできます。なぜなら、香典は故人にお供えするための品物だからです。ただし、香典返しを辞退する場合は、遺族に失礼のないよう断り方には注意しましょう。失礼のない香典の断り方については、後ほど詳しく解説します。
香典返しを辞退する理由
香典返しの辞退には、一体どのような理由が考えられるのでしょうか。ここからは、香典返しを辞退する理由について解説します。
遺族の負担を考慮したいため
香典返しを辞退する理由で最も多いのは、「遺族に負担をかけたくない」という声です。家族を亡くして身も心も大変な遺族に、お返しの心配までさせたくないという気遣いから、香典返しを辞退する方は少なくありません。
また、一家の大黒柱を亡くした場合は、遺族が経済的な不安を抱えている可能性もあります。残された遺族の今後の生活を考えて、「お返しの分を今後の生活費や養育費に使ってほしい」と思われる方も多いようです。
香典返しを受け取る時間がないため
香典返しを辞退する理由には、タイミングやスケジュールが合わないというものもあります。たとえば、香典返しを受け取る時期に、新築祝いや結婚式などのお祝い事が重なっていると、「おめでたいときに不祝儀の贈り物を受け取ることは避けたい」と考える方もいるようです。そのほか、単純に忙しくてスケジュールが合わず受け取れないという方もいます。
香典の額が少額であるため
香典が連名であったり、金額が少額であったりする場合も、香典返しを辞退する理由になります。香典の金額によっては、香典返しの方が高額になってしまう可能性があるからです。
特に連名の場合は、一人ひとりにお返しをするのは大変なので、辞退を申し出る方も珍しくありません。
香典返しの受け取りが禁止されているため
勤務先によっては、香典返しは辞退する決まりになっているところもあります。たとえば、公務員は金品の受け取りが禁止されているため、慎重にならざるを得ません。また、会社名義で香典を出した場合、個人的に香典返しを受け取ると問題になるケースもあります。
その場合は、香典返しを贈ることによって、お相手に迷惑をかけるおそれがあるため注意が必要です。
香典返しを辞退する方法
何らかの理由によって香典返しを辞退するときは、遺族に失礼のないよう配慮しなくてはなりません。ここからは、遺族に配慮して香典返しを辞退する方法を解説します。
香典袋に記載する
香典返しを辞退する方法のひとつに、香典袋に「お返しのご配慮は不要です」と書く方法があります。香典袋に辞退の旨を記載することは、失礼にはあたりません。
書く場所は、香典袋の裏側、氏名・住所の左隣です。香典袋に中袋があれば中袋の裏に、中袋がない香典袋なら裏面に直接書きます。辞退のメッセージは、香典袋の表書きと同様に薄墨を使いましょう。
手紙・一筆箋を香典袋に入れる
香典袋の中に、手紙や一筆箋を入れて香典返しを辞退する方法もあります。一筆箋とはその名の通り、ほんの数行だけメッセージが書ける便箋のことです。
長々と書く必要はないので、宛名・本文・自分の名前を順に縦書きで書きます。本文には、お返しを辞退する旨に加え、「お悔やみ申し上げます」という挨拶を入れるのがマナーです。
文例
香典返しを辞退する際は、曖昧にせず、きちんと遺族に伝えることが大切です。しかしなかには、手紙や一筆箋といわれても何を書いたらよいかわからないという方もいるのではないでしょうか。そのような方のために、ここからは香典返しを辞退する際に使える文例を紹介します。
心よりお悔やみ申し上げます。お返しのお心遣いは遠慮させていただきます。
心よりお悔やみ申し上げます。誠に勝手ではございますが、お返しは辞退させていただきます。
葬儀受付で香典返しの辞退を伝える
葬儀の日にお返しの辞退を申し出る方法もあります。最近では、お通夜や告別式の日にその場で香典返しを渡すことも少なくありません。そのため、受付の方に「お返しは辞退させていただきます」と伝えるのもよいでしょう。
ただし一般的に、葬儀の受付は遺族でないことが多いので、遺族に辞退の旨がきちんと伝わるよう、香典袋に記入したり、一筆箋を添えたりすると安心です。一方、香典を直接遺族に渡す場合は、お悔やみの言葉と合わせて香典返しの辞退を申し出ます。
香典を少額にする
香典を少額にすることによって、香典返しを辞退する方法もあります。香典の金額が少額であれば、お返しをしなくてもよいという考え方があるからです。
しかし、なかには「どんなに少額であっても、お返しをするのがマナー」と考える方もいます。そのため、香典を少額にする際は、香典返しを辞退する旨を香典袋に書き添えましょう。
香典返しの辞退を伝えられた場合のマナー
香典返しの辞退を伝えられた場合、遺族はどのように対応するのがよいのでしょうか。ここからは、香典返しを辞退された方への対応について解説します。
遺族への気遣いから辞退された方への対応
遺族に余計な気遣いをさせたくない、葬儀に掛かる費用や遺族の生活に役立ててほしいなどの理由から香典返しを辞退される場合があります。
このような場合、相手のご厚意を無駄にしてしまうことになるのでお返しは控え、丁寧にお礼状をしたため、感謝の気持ちを伝えましょう。
ただ、高額の香典を頂いた方へは何かしらお礼の品を贈ることが多いようです。
香典返しとしてではなく、お中元やお歳暮など、別の機会に贈り物をして感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。
職場の関係で香典返しを受け取れない方への対応
公的な職に就いている方の中には、法的に受け取れなかったり、職場で香典返しの受け取りが禁止されていたりと、そもそも受け取ることができない方もいらっしゃいます。
この場合、香典返しを贈るのは相手の迷惑になるので控えた方が良いです。
間違って贈ることのないよう十分に注意しましょう。
まとめ
香典返しを辞退すること自体は、マナー違反にはなりません。ただし、断り方によっては、遺族の気分を害してしまう心配があるため注意が必要です。香典袋に記入したり、一筆箋を添えたりすることで、失礼にならずに辞退することができます。
香典返しを辞退する場合は、大切な方を失った遺族の悲しみに寄り添ったうえで、辞退の旨を伝えるようにしましょう。
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