新築内祝いのマナーの基本
家を建てた際に新築祝いや引っ越し祝いをいただいた場合は、一般的にお祝いをいただいた方を招き新築披露を行います。しかし、新築披露ができなかった場合や招待したい方の都合がつかないこともあるでしょう。そのようなときに、お返しとして贈るのが新築内祝いです。
快く受け取っていただくには、まずは自分自身がマナーを身に付けましょう。
新築内祝いは、新築披露ができない方に対して品物を贈るものです。縁起がよいものや渡さないほうがよいアイテムなど基本的なことを確認しましょう。
新築内祝いで縁起のいいもの・悪いもの
新築内祝いを選ぶ際は、縁起のよいものとはなにか、悪いものとはなにかを知ることが大切です。
特に昔ながらの風習を大切にする方へは慎重に選ぶ必要があります。今後の関係を円滑にするためにも、非常識な人と思われないような品物を贈るように心掛けましょう。特にタブー視されるアイテムについては、内容をしっかり把握することが大切です。
縁起のいいアイテム
新築内祝いの品物を選ぶときは、縁起のよいアイテムから選ぶのが無難です。定番なのが、家である建築物を入れ物に見立てた「入れる物」や「火に強い」に由来したキッチングッズです。これらは昔から新築内祝いに贈る習慣があります。
たとえば「入れる物」であればグラスやコーヒーカップ、漆器があります。また「火に強い」に由来したキッチングッズは鍋ものが一般的です。ほかにも「家を焼かない」ということでやかんも縁起がよいアイテムとして選ばれます。
タブー視されることもあるアイテム
タブー視される代表的なアイテムに「刃物」と「お茶」があります。「刃物」は縁が切れる意味をもつため、「お茶」は弔事の贈り物の定番であることがタブー視される理由です。
ほかにも目上の方へ贈る場合は、避けたほうがよいアイテムもあります。それは「肌に身に付けるもの」や「現金や金券」の2つです。特に「肌に身に付けるもの」は生活に困っていると思われているのでは、と相手が不快な気持ちになる可能性があります。
最近は気にしない人も増えたことから、相手がよろこぶものを贈る傾向が強くなってきました。しかしタブー視されることもあるアイテムを選ぶ際は、贈る相手によって選ぶように気を付けることをおすすめします。
新築内祝いのマナーQ&A
初めて新築内祝いを贈る場合、分からないことだらけで困っている方もいるでしょう。相場はどのくらいか、新築披露をしたときも必要か、引っ越し祝いとの違いは何かなど疑問点はたくさん出てきやすいものです。ここからは、周りの人になかなか聞きづらい基本的な知識をQ&Aで3つご紹介しましょう。
新築内祝いの相場はいくらくらい?
お返しの相場は、いただいた金額や品物のうち3分の1~半額程度と考えてよいでしょう。相場を大きく上回る金額や下回る金額のものを贈ると、不快な気持ちになる方もいるので注意が必要です。
また、家族や親族への場合はその家ならではのルールが存在することも珍しくありません。相場はあくまでも一般的なものであって、家のルールを優先することが大切です。金額について悩んだときは、実母や義母などに思い切って聞いてみるとよいでしょう。
高額の新築祝いをいただいた方は、相場を基準にしなくてもよい場合もあります。通常よりも少しだけ高い内祝いを贈れば、マナー違反にはなりません。そういう場合は相手に感謝の気持ちを伝えることが一番大切です。
新築披露をしたときも新築内祝いは必要?
新築祝いをいただいた方を招いて新築披露をした場合、内祝いをあらためて贈る必要はありません。自宅に招き、飲食した代金を主催者が全額支払うことがお返しに相当します。招待した方への新築内祝いは、基本的には不要と考えて問題ありません。
高額な新築祝いをいただいた場合で、飲食代を負担しても金額が合わないときは別に贈り物を用意すると丁寧な印象になります。
一方で新築披露をしない場合は、お祝いをいただいたすべての方へ贈る必要があります。家の伝統的ルールがあるか、親族に前もって確認しておくと安心です。
新築内祝いと引っ越し祝いはどう違うの?
引っ越し祝いをいただいたお礼として贈るのが「新築内祝い」です。引っ越し祝いは「一戸建てやマンションに転居したお祝い」として贈るもののことをさします。それぞれ、お祝いを贈る志向性が違うのです。
新築内祝いと引っ越し祝いは似た意味合いをもつ「お祝い」と間違われやすいものです。お祝いを贈る人も違えば、お祝いをいただく人も違うことを理解しましょう。