赤ちゃんが生まれると、家族や友人から出産祝いをいただくことがあります。いただいたお祝いには「出産内祝い」というお返しをするのが通例ですが、内祝いをどのような形で贈ればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。
内祝いを贈るときには、品物やメッセージカードだけではなくお礼状を添えるのがマナーです。いただいたお祝いへの感謝の気持ちを伝えるためにも、正しい書き方でお礼状を書きたいものです。この記事ではお礼状の書き方やお礼状にまつわるマナーをご紹介します。
出産内祝いのお礼状の書き方
出産祝いへのお返しである内祝いには、お礼状を添えるのがマナーです。実際に準備する段階になって、「どのように書いたらよいのだろう」と悩む人もいるかもしれません。相手に失礼のないように、お礼状の書き方を覚えておきましょう。
差出人の名前は夫婦連名にする
出産内祝いは差出人の名前を誰にするか悩む人も多いことでしょう。赤ちゃんの誕生に関することなので赤ちゃんの名前と考えるかもしれませんが、知らない名前から品物が届くと不安にさせる可能性があります。また、夫婦双方の友人に対しても贈るものなので、差出人が一人の名前だともう一人の方の友人は誰から届いたのかわからないかもしれません。
差出人は誰なのかがすぐに分かるように、夫婦連名にするようにしましょう。また出産祝いや内祝いといったやり取りは、今後の付き合いが深まるきっかけになることもあります。もともとはどちらか一方だけの友人だったとしても、家族ぐるみの付き合いに発展することもあるため、連名にすることがおすすめです。
出産や産後の経過に関する情報を含める
内祝いに添えるメッセージカードやお礼状には、出産や産後の経過に関する情報を書き添えましょう。病院や自宅に来てくれた人は産後の様子が分かりますが、そうでない場合は赤ちゃんが生まれたということしか知らないということもあります。
そのため、赤ちゃんの名前や性別、母子の産後の状態といった内容を添える心遣いが大切です。「母子ともに健康です」「かわいらしい女の子が生まれました」など、相手が気になると思われる情報を入れるようにします。また珍しい読み方の名前ではない場合も、名前にはふりがなを付けるようにしましょう。
感謝の言葉を述べる
内祝いはいただいたお祝いへの感謝の気持ちを込めたものなので、お礼状ではしっかり感謝の言葉を述べるようにしましょう。出産祝いは赤ちゃん誕生の喜びと成長を願って、わざわざ選んでくれた贈り物です。赤ちゃんの誕生はおめでたいこととはいえ、お祝いをいただけることを当たり前と思わず感謝する気持ちを大切にしましょう。
もらった品物をどのように使っているのか、または今後どのように使おうと思っているのか、といったことをお礼状の内容に入れることもおすすめです。選んだ品物が使われているのか、贈った側は気になるものです。一人ひとりに具体的なお礼の言葉を添えるとより素敵なお礼状となるでしょう。
文章をすっきりまとめる
お礼状にはお祝いへの感謝の気持ちや産後の状態、赤ちゃんの名前や性別といった内容をしっかり書いておきます。書いておくべき内容がいくつもあるからといって、文章が長くなりすぎるとまとまりにくくなってしまいます。冗長な文章を書くのではなく、お礼の言葉や情報のみを簡潔にまとめましょう。
文章を書いたら、相手の気持ちになって一度読んでみることがおすすめです。すっきりと読みやすい文章になっているかを確認してから清書するとよいでしょう。
句読点はつけない
句読点には「区切りや終わりをつける」といった意味合いがあるため、お祝いごとに関する文面ではマナーとして句読点をつけないようにします。親しい身内や友人へのお礼状では必ずしもこだわる必要はありませんが、会社の上司や高齢の方に対して書く場合は気を付けた方がよいでしょう。
文例1:時候の挨拶
時候の挨拶とは、手紙などの書き出しに用いる四季の様子を表す文章のことをいいます。職場関係者や目上の方などかしこまった文章で送るお礼状には時候の挨拶を入れるとよいでしょう。
時候の挨拶(書き出し)の例
1月「三寒四温の候」
2月「陽射しが春めいてまいりました」
3月「桜の花が待ち遠しい毎日です」
4月「春爛漫の折から」
5月「風薫る五月となりました」
6月「あじさいの花が長雨に色づいてまいりました」
7月「蝉の声もひときわ高く」
8月「暑さもやっと峠を越したようです」
9月「朝夕はようやく過ごしやすくなりました」
10月「味覚の秋を迎えました」
11月「小春日和の好季」
12月「年の瀬を迎え」
文例2:相手を気遣う時に用いる言葉
時候の挨拶で文章を書き出したら、次に相手の健康を気遣うような内容を入れるようにしましょう。
文例
「○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」
「ご無沙汰しておりますが、お変わりなくお過ごしのことでしょう」
「まだまだ寒い日が続きますが、お加減いかがでしょうか」
「お忙しいとは思いますが、相変わらずご壮健でしょうか」
文例3:出産祝いのお礼に用いられる言葉
お礼状の一番の目的ともいえる、出産祝いをいただいたことへのお礼の言葉は忘れず書き入れます。貴重な時間を割いてお祝いを選んでくれたことや、赤ちゃんの誕生をお祝いしてくれたこと、病院や自宅に足を運んでくれたことに対する感謝の気持ちをしっかりと述べましょう。
文例
「このたびはお祝いを贈っていただきましてありがとうございました。さっそく使わせていただいております」
「長女○○のためにお洋服をいただきありがとうございました。かわいらしいデザインで娘に似合っており、とても嬉しく思っております」
「○○の出産に際し、あたたかいお心遣いをいただきありがとうございました」
文例4:近況報告
お祝いへのお礼を述べたら、次に赤ちゃんに関する情報や近況を報告する文章を入れます。赤ちゃんの名前や性別、名前の由来、母子の状態など、相手が気になる内容を簡潔にまとめるようにしましょう。
文例
「名前は○○(ふりがな)と名付けました。初めての子どもなので戸惑うこともたくさんありますが、母子ともに健やかに過ごしております」
「〇月〇日に誕生した長女には、○○といった願いを込めて○○(ふりがな)と命名しました。二人で親になれた喜びを噛み締めております」
文例5:今後お付き合いする際に用いられる言葉
お礼状は今後も付き合いをしていただきたいといったことや改めて挨拶に伺いたいといった内容で締めましょう。最後に今後に関する内容を含めると文章のまとまりがよくなります。子どもの誕生をきっかけにしたお付き合いのお願いをする内容もおすすめです。
文例
「新しい生活に慣れたら、家族でご挨拶に伺わせていただけたらと思っております」
「近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」
「人生の先輩としてご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願い致します」
「子育てのご相談をすることもあるかと存じます」
「皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます」
お礼状の書き方に関する注意点
お礼状に使える文例を紹介しましたが、あくまでも参考にする程度に留めておきましょう。テンプレートをそのまま使ったような文章や使い回しているような文章では心をこめた文章にするのは難しく、相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
いただいたお祝いの品物に対する感謝を折り込みつつ、一人ひとりに丁寧に内容を考えた文章を直筆でしたためます。自分なりの言葉でしっかりとお礼の言葉を述べるようにしましょう。
シチュエーション別!出産内祝いのお礼状の例文
それでは次に、シチュエーション別に例文を見ていきましょう。親戚や仲のよい友人に送る場合と、目上の方や会社の上司に送る場合では書き方も異なります。
赤ちゃんのことや自分のこと、お祝いにいただいた贈りものに対するお礼など書いておきたい内容は変わりません。しかし、文体や守るべきマナーなどは贈る相手によってしっかりと変える必要があります。誰にどのような文章を送ればよいか例文を見ていきましょう。
親戚
親戚にお礼状を送る場合は、丁寧で、なおかつ堅苦しくならないような文章がおすすめです。やわらかい文体にすることで、赤ちゃんの誕生報告にふさわしい文章ができます。
文例
「陽射しが春めいてまいりました。春の訪れが待ち遠しく感じます。
このたびは、とても素敵なメリーをありがとうございました。さっそく使わせていただき大活躍しております。春の訪れに生を受けた喜びをこめまして、名前は◯◯としました。おかげさまで、すくすくと成長しています。
なお、ささやかですがお礼の品を贈らせていただきましたので、どうぞお納めください。」
友達
親しい友人同士でも、マナーに則って書くことが大切です。きちんとお礼を述べることと、いただいた贈りものの名称を入れましょう。
文例
「このたびはかわいいベビードレスをいただき 本当にありがとうございました。
あと2カ月くらいで着られそうなので、今から楽しみです。
おかげさまで ○月○日に生まれた娘○○(お子様の名前とふりがな)は日々元気に育っております。私も順調に回復し、少しずつ母親業にも慣れてきたところです。
本日はささやかですが 心ばかりの品を贈らせていただきましたので、ご笑納ください。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。」
会社の同僚
会社の同僚に送る場合は、挨拶からはじめて赤ちゃんのことを報告するとともに、自身の近況も伝えるようにするとよいでしょう。
文例
「△△様におかれましては、おかわりなくお過ごしのこととお慶び申し上げます。
このたびは娘の誕生にあたり、心あたたまるお祝いをいただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまで、◯月◯日に◯グラムの長女が誕生し、母子ともに健やかな日々を過ごしております。
長女には、○○(名前の由来)のような子どもに育ってほしいという願いをこめ、◯◯(お子様の名前とふりがな)と命名いたしました。喜びとともに娘を持つ責任の重さも感じており、今後はいっそう仕事に励む所存です。
ささやかな品ではございますが、内祝いの品を贈らせていただきましたのでお納めくださいませ。
まずは、書中をもちまして、御礼申し上げます。」
会社の上司
目上の方など会社関係者の方には冒頭に時候の挨拶があるとよいでしょう。新しい家族のためにさらに仕事に励みたいという決意を述べると、まとまりのよい文章が完成します。
文例
「残寒の候、風邪など召されずにお過ごしでしょうか。平素は格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございます。
さて、先日は長女の誕生にあたり、心のこもったお祝いをいただき、誠にありがとうございます。出産後すぐにスタイは娘の愛用品となり、夫婦ともども喜んでいます。
子どもには(名前の由来)という願いをこめまして、◯◯(お子様の名前とふりがな)と命名いたしました。おかげさまで母子ともに健康な毎日を過ごしております。今後はいっそう仕事に励む所存ですので、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
ささやかな品ではありますが、別便にてお贈りさせていただきます。
まずは、書中をもちまして、御礼申し上げます。」
より喜んでもらうための出産内祝いのお礼状ワンポイントアドバイス
出産内祝いのお礼状には2つの意味がこめられています。赤ちゃんが産まれたことの喜びを伝えることと、出産のお祝いをいただいたことへのお礼です。どちらも相手のことを考えて心をこめて書く必要があります。
もらった相手に喜んでもらえるようなお礼状を書くには、どうしたらよいのでしょうか。そこで、お礼状を作成するときに重要なポイントを紹介していきます。
書いたお礼状を一度声に出して読むこと
自分で書いたお礼状に不自然なところがないか確認する有効な手段は、声に出して読むことです。
お礼状などは書き慣れてでもない限り、例文を見てしっかりマナーを守って書いたつもりでも、すんなりと書ける方は多くはないでしょう。あれこれ迷って書いていると、文章にどこかおかしなところが出てしまいます。
声に出して内容を確認するように読めば、文章に不自然なところがあっても気づくことができるため、恥ずかしがらずに読んでみましょう。
プレゼントの使い方などを分かりやすく伝えること
出産内祝いは、出産祝いをいただいた相手に感謝の気持ちをこめて送るものです。もらった相手に喜んでもらえるように気を配る必要があります。
たとえば、贈ったギフトの内容について詳しく説明したり、このように使ってほしいといった願いもこめて使い方を伝えたりすると相手に配慮があるととらえてもらえます。
贈った相手に喜んでもらえるように選んだギフトです。自分の意図したことが相手にしっかり伝わるようにしましょう。
相手の立場になって考えて書くこと
お礼状を書くときは、相手の立場になって考えることも重要です。出産の挨拶状を出していない相手へお礼状を送る場合は、赤ちゃんの名前や読み方、性別、産後の様子なども報告をかねてお礼状にしたためましょう。
また、赤ちゃんを授かることができないご家庭に宛てる場合などは、送る相手の状況によってはストレートすぎる喜びの言葉が相手を傷つけてしまうこともあります。感謝の気持ちを忘れずに、相手のことを配慮したお礼状になるよう気をつけましょう。
相手に応じて封筒や便箋を選ぶこと
お礼状を送る場合は、送る相手によって封筒や便箋を選ぶことも重要なポイントです。目上の方や会社の上司には、和風のかしこまった便箋を選ぶのもよいでしょう。逆に仲のよい友人といった親しい相手に送るのであれば、カラーや模様が入った便箋を使って書くことで親しさを表すこともできます。
封筒は、和封筒の縦書きが基本です。洋封筒は、おもに招待状や案内状などを送る場合や、親しい相手への手紙に使用されるものです。お礼状の場合は和封筒を使いましょう。
出産内祝いに添える場合、用意したお礼状が同封できるか確認する
出産内祝いにお礼状を添える場合、自分で用意したお礼状が同封できるか確認することも大切です。出産祝いをお店で選ぶ場合も通販で選ぶ場合も、注文をする際にお礼状が同封可能かを確認しましょう。
カタログギフトのハーモニックでは、カタログギフトの送付の際に挨拶状を無料で同封しています。また、お客様が作成した挨拶状をカタログギフトに同封して送るサービスも行っています。
このように自分が作成したお礼状を同封できるお店で出産内祝いを選ぶことも重要なポイントのひとつです。
まとめ
出目上の方や会社の上司・同僚から出産祝いをいただいた場合、内祝いに添えてお礼状を贈ることはマナーとして大切なことです。出産祝いに対するお礼だけでなく、赤ちゃんや自分たちの近況を伝えることも忘れないようにしましょう。
またお礼状は、相手のことを思いながら書くのがおすすめです。受け取った方に喜んでもらえるようなお礼状を意識します。相手の状況などにも配慮して、マナー違反にならないようなお礼状をつくるよう心がけましょう。
相手への感謝の気持ちを伝えるためには、お礼状だけではなくギフト選びも大切です。相手のことをしっかりと考えて、喜んでいただけるギフトを贈りましょう。
出産内祝いを何にするか悩むような場合には、カタログギフトもおすすめのひとつです。出産内祝いに悩んだら、ぜひハーモニックにお問い合わせください。