出産のお祝いをいただいたら、感謝の気持ちを込めて内祝いの品を贈ります。内祝いと一緒に手紙を入れることで、より丁寧に感謝の気持ちを伝えることができ、受け取る側にも喜んでもらえるでしょう。
しかし、出産内祝いに添える手紙には、書き方や内容について、いくつかのマナーが存在します。中には、このマナーについてよくわからないという方もいるのではないでしょうか。受け取る側に感謝の気持ちを伝えるためにも、マナーについて把握した上で手紙を添えるとよいでしょう。
そこでこの記事では、出産内祝いに同封する手紙の書き方とその例文についてご紹介します。この記事で例文を知ることで、マナーに則した手紙を送ることができるでしょう。
出産内祝いを贈る際に添えたい手紙の例文5選
出産祝いをいただき、内祝いに手紙を同封したいと思っても何を書いたらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。 またお祝いをいただいた相手との関係性によっても、どのような書き方がふさわしいのかが変わってきます。
ここではパターン別に例文を踏まえながら、手紙の書き方や書くべき内容についてみていきましょう。
例文①シーン:親戚に贈る
親戚の場合は、過度に堅苦しくする必要はありませんが、頭語や結語・時候の挨拶などを忘れず、丁寧な文章で作成します。また親族でも相手の方が目上の場合には、特に礼儀正しい文章を意識しましょう。
拝啓
秋の声が聞こえる美しい季節が到来しました。みなさまお変わりございませんか。
このたびは素敵なお品をありがとうございました。
おかげさまで、母子ともに元気に過ごしております。○月○日に産まれた長女には(由来)という願いを込めて、○○(子どもの名前)と名付けました。
落ち着いたころに、ごあいさつに伺いたいと存じます。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ。心ばかりではございますが、内祝いの品を送らせていただきました。
秋冷が加わります折、お体にお気をつけてお過ごしください。敬具
例文②シーン:仕事関係者に贈る
会社関係の方、上司の方には感謝の気持ちとともに、引き続きお世話になることも含め、礼儀正しく丁寧な内容で作成します。頭語や結語に関しても、目上の方へは「謹啓/敬白」を使用して相手を敬う気持ちを手紙にも表しましょう。
謹啓
すっかり春めいてまいりました。皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたびは長男の誕生に際しまして、素敵なお祝いをいただき、まことにありがとうございました。〇〇様のお心遣いに、夫婦ともども大変感謝しております。長男には(由来)という願いを込めて、○○(子どもの名前)と命名いたしました。待望の第一子誕生ということで、よろこびと同時に責任の重さを実感しており、身の引き締まる思いでおります。
今後はいっそう仕事に励む所存でございますので、引き続きご指導をよろしくお願い申し上げます。
心ばかりではございますが、内祝いの品をお送りいたしますので、どうぞお納めください。
花冷えの季節、体調を崩されませんよう願っています。敬白
例文③シーン:長年の友人に贈る
長年の友人に送る手紙は堅苦しくなる必要はありませんが、丁寧な文章にすると感謝の気持ちが伝わりやすくなるでしょう。友人の場合は頭語のみ記載し、結語は省略してもよいとされています。結語を省略することで、堅苦しくなりすぎず、丁寧な文章が完成します。
拝啓
立秋とはいえ、まだまだ暑い日が続きます。いかがお過ごしでしょうか。
先日は長男○○(子どもの名前)の出産にあたり、素敵なお品をありがとうございました。おかげさまで 〇月〇日に生まれました長男○○(子どもの名前)は、日々すくすくと育ち、母子ともに毎日健やかに過ごしております。
心ばかりではございますが内祝いの品を贈らせていただきました。
これからも変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願い申し上げます
例文④シーン:2人目のときに贈る
基本的に2人目のときも1人目のときと同様の内容で構いません。しかし、1人目も2人目も毎回お礼をいただいている方に関しては、毎回のお心遣いに対してお礼を伝えると相手にも喜ばれるでしょう。
拝啓
春光うららかな季節を迎え、お元気のご様子で何よりと存じます。
次女の誕生にあたりまして、このたびもお心遣いをいただき、本当にありがとうございました。
(お祝いの品)はとても素晴らしく、お二人のこまやかなお心遣いが感じられ、とてもうれしく感じております。ところで、次女は「○○(子どもの名前)」と命名しました。(由来)と願って名付けました。
心ばかりではございますが、内祝いの品を送らせていただきました。ご活用いただけるとうれしく思います。
まずは書中をもちましてお礼申し上げます。
敬具
例文⑤シーン:出産内祝いが遅くなった場合
出産祝いが遅くなってしまった場合、遅れてしまったことにお詫びをしつつ、お祝いをいただいたことに関しても感謝の気持ちをきちんと伝えましょう。
拝啓
このたびは、長男〇〇(子どもの名前)の誕生に際し、心温まるお祝いをいただきありがとうございました。
本来ならば、すぐにでもお礼を申し上げるべきところでしたが、新生活の忙しさに取り紛れ、不本意ながら今となってしまったことを心よりお詫びいたします。○○(子どもの名前)も、すでに○か月となり、おかげさまで家族そろって健やかに過ごしております。
今後も長男〇〇(子どもの名前)ともどもよろしくお願い申し上げます。
本来ならば、ごあいさつに伺うべきところ、心ばかりではございますが同送の品にて内祝いとさせていただきます。このたびは本当にありがとうございました。
寒い日が続きますが、お体にお気をつけてお過ごしください。敬具
生まれた子に関して書こう
内祝いに同封する手紙には、生まれた子どもの情報を書いておきましょう。相手は子どもの誕生をお祝いして品を贈ってくれるのですから、子どもに関する情報がまったくない手紙では失礼にあたります。
ここでは子どもについて何を書けばいいのかを解説します。また、2人目以降の場合の内容についても確認しましょう。
性別・名前などに関して触れる
忘れずに知らせなければならないのは子どもの名前と性別です。名前は漢字であれば漢字+ひらがなで、ひらがなであればひらがなのみを書いておきましょう。漢字のみだと間違った読み方で覚えられてしまうかもしれませんので、一般的な読みをする名前だとしてもふりがなは付けます。
性別は「女の子」「男の子」と書いてもよいですが、「長女○○」「長男○○」と書くとよいでしょう。長女や長男と書いてあれば性別は判断できます。
子どもが健康に成長しているかどうかも一筆入れることがおすすめです。「母子ともども健康です」といった文章を入れることで、お母さんも子どもも元気であることがわかりますので、相手も安心できるでしょう。
2人目以降の場合
子どもの誕生は何人目であっても喜ばしいことです。2人目以降も1人目同様お祝いをいただいたのであれば、内祝いの品と手紙を送りましょう。品は1人目のときと違う品を選び、添える手紙にはお祝いへの感謝の気持ちと生まれた子どもの情報を入れるようにします。
手紙の中で「このたびもお祝いをいただき、まことにありがとうございます」という文章を入れることがおすすめです。「このたびも」と入れることで「1人目と同様に、お祝いしてくれてありがとう」という気持ちを込めることができます。
親戚や友人を喜ばせる出産内祝いの手紙の書き方
内祝いに同封する手紙は本来、お祝いをいただいたことへの感謝を伝えるためのものです。せっかくなら「お祝いしてよかった」と相手にも喜んでいただける内容にできるとよいでしょう。
また、お祝いをしてくれるという関係性を、今後もぜひよい方向で築いていきたいものです。ここでは親戚や友人に喜んでもらえる手紙の書き方や内容について説明します。
印象に残ったエピソードを添えること
印象に残ったエピソードを記載しながら感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。エピソードを記載することで、相手側も読む際にイメージがしやすくなります。
「お祝いでいただいたものに対して子どもがどんな反応をしたか」など、子どもの状況や贈っていただいた品物に対してのエピソードが記載されていると、品物を喜んでいることがストレートに伝わり、贈った側もうれしいでしょう。
あわせて、いつもお気遣いいただいていることに触れたり、贈り物のセンスが素晴らしいと伝えたりする内容もおすすめです。
今後も良好な関係でいたいことを手紙に書く
お祝いをいただく仲ということから、今後も関わりのある親しい関係性であると考えられます。お祝いをいただいたお心遣いに感謝を伝えつつ「今後とも親子ともどもよろしくお願いいたします」といった内容を書くようにしましょう。
今後も良好な関係でいたいという気持ちが、相手にも感じられるため、喜ばれます。書き方は、以下のように手紙の締めくくり部分で書かれることが多いようです。
・今後ともどうぞよろしくお願いします。
・今後ともお付き合いの程、よろしくお願いします。
・今後ともご指導の程、よろしくお願いいたします。
慇懃無礼にならないこと
気遣いや丁寧さは大切ですが、普段の対応とはあまりにも異なった丁寧すぎる「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」な文面は誠意を感じられず、機械的と受け取られてしまう可能性があります。
普段、親しくしている間柄でも、手紙ということであらたまって書くことはとても大切です。しかし、あまりにもかけ離れた堅苦しい文章にならないように、相手との関係性をきちんと把握し、自分なりの言葉で文章を作成するようにしましょう。
テンプレートのような硬い言葉よりも、気持ちのこもった自分の言葉のほうが相手にはしっかりと伝わります。
近況を分かりやすく丁寧に書くこと
出産後の近況を分かりやすく伝えしましょう。お祝いとともに、子どもがすくすくと育っていることや母子ともに元気であることを書くと相手も安心します。できるだけ細かなエピソードを添えて、子どもの成長や状況などを伝えるとイメージが湧きやすく、相手にも喜ばれます。
例として、以下のような文章を盛り込むとよいでしょう。
「先日、長男の○○を出産いたしました。出生体重は○○グラム、退院後の生活も順調で、すくすくと元気に成長しております。」
相手との距離間を意識すること
手紙を書く上では、相手との関係性や距離感を意識することが重要です。慇懃無礼にあたらないように注意するのはもちろん、逆にあまりにもくだけた内容の手紙では会社の上司や目上の方に対しては失礼にあたります。
目上の方に関しては、きちんとマナーに沿った形式で手紙を作成するように意識しましょう。仲のよい友人などに関しては、マナーに沿って作成することはもちろんですが、言い回しや言葉の選び方は堅苦しくないように意識するとよいでしょう。
出産祝いを贈る側になった際に添えたい手紙の例文5選
自分の出産はもちろん、友人や知人が出産をすることもあります。自分がお祝いをしてもらってうれしかったように、友人や知人が出産するときには、お祝いの気持ちをしっかりと伝えたいものです。
ここでは、出産のお祝いを贈る際に、どのような手紙を添えるとお祝いの気持ちを伝えられるのか書き方や内容を例文とともにご紹介します。
例文①シーン:親戚に贈る
親戚の場合、目上の方でなければ親しみのある内容でも問題はありません。親しみの中にも丁寧さと相手を労う気持ちを入れましょう。
◯◯さん、男の子のご出産おめでとうございます!
母子ともの健全であるとお伺いして大変安堵しております。今はぜひゆっくりと身体を休めてください。
落ち着くころに、赤ちゃんのお顔を拝見しにお伺いさせていただきますのを楽しみにしております。
心ばかりですが、お祝いをお贈りしましたので、気に入ったものを選んでいただけますと幸いです。
だんだんと冷え込む時期になりましたので、お体ご自愛くださいませ。
例文②シーン:仕事関係者に贈る
会社の関係者に送るお祝いに寄せる手紙は、一定の節度が必要です。マナーを大切にしながら丁寧な文章を心がけましょう。
拝啓
紅梅の候、皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
このたびは、奥様がご安産にてお子様をご出産されたとのこと、お祝い申し上げます。母子ともに順調とうかがい、とても安心いたしております。○○課長をはじめ、ご家族の皆様の喜びもひとしおかと存じます。
○○課長ご夫婦のお子様ですから、きっと素直でたくましい男の子に成長されることでしょう。奥様には、どうか産後のお身体をご自愛なさいますようお伝えください。
お子様の健やかなご成長と、ご多幸をお祈り申し上げます。敬具
例文③シーン:長年の友人に贈る
長年の友人や親しい間柄の方には、形式にとらわれすぎた内容でなくても構いません。時候の挨拶や頭語があるとより丁寧な印象を与えますが、とても親しい間柄であれば、出産に対するお祝いや労いの言葉のみでも気持ちは伝わるでしょう。
〇〇様
吹く風も次第に夏めいてまいりました。
このたびはご出産、おめでとうございます。そして本当にお疲れ様でした。父となった○○様も、我が子の誕生にさぞかしお喜びのことでしょう。産後の休養は大切です。どうか奥様ともどもご無理をなさらずに、微笑ましい赤ちゃんのおそばでごゆっくりお休みください。
落ち着きましたら、お祝いに伺わせていただくのを楽しみにしております。
まずはお祝い申し上げます。
例文④シーン:2人目出産の家族に贈る
2人目以降も変わらず、お祝いの手紙を書くことで、相手にお祝いの気持ちをしっかりと伝えることができます。こちらの場合も手紙を書く相手との関係性によって、書き方を調節するとよいでしょう。以下に親しい間柄の方に送る例文を紹介します。
◯◯ちゃんのご誕生、おめでとうございます。
◯◯ちゃん(長男の名前)もお兄ちゃんになられたのですね。ご家族の皆様もさぞお喜びのことと存じます。二児のママとなり、これから大変なこともあるかと思いますが、ご夫婦で協力し合いお体に気をつけてお過ごしくださいませ。
落ち着きましたら、お2人のお子様を拝見しお伺いできますことを今から楽しみにしております。心ばかりですがお祝いの品を送らせていただきました。
だんだんと寒くなってまいりましたので、お体ご自愛くださいませ。
例文⑤シーン:贈るのが遅くなった場合
お祝いの品が遅れた場合には、遅れてしまったことへのお詫びと、出産に関してのお祝いがきちんと伝わる文章にしましょう。こちらも送る相手との関係性を意識して、マナーを守った丁寧な書き方を意識することが大切です。
拝啓
木々の葉も鮮やかに色づいてきました。
このたびは、かわいらしい女の子をご誕生とのこと、誠におめでとうございます。
すぐにお祝いを申し上げるべきところ、ごあいさつが遅くなりまして心苦しく思っております。お子様も奥様もご健全とうかがい、私どもも大変安堵しております。
心ばかりではございますが、お祝いの品を送らせていただきました。お子様の育児にご活用いただけますとうれしく思います。簡単ではございますが、書中にてお祝い申し上げます。
敬具
まとめ
出産のお祝いや内祝いは、品物だけでなく、手紙を添えることで気持ちをしっかりと伝えることができます。また、内祝いの手紙には、子どもの状態や母子ともに元気であることを記述すると相手方にも安心感を与えられるでしょう。
お祝いの手紙に関しても、子どもの成長を願う内容や母体を労う言葉をかけることで相手に安心感や気遣う気持ちを伝えることができます。出産は一大イベントです。お祝いする側も内祝いをする側も、相手に喜ばれるように丁寧な書き方やマナーを忘れないようにしましょう。
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