体調が優れずに入院している友人や知人、会社関係者、親戚などに対しては、お見舞いに行ったり、お見舞い品やお見舞い金を送ったりします。
それでは、無事に退院したときは、いったいどうすればいいのでしょうか。近しい人の退院に際して行う、「退院祝い」についてご紹介します。
※地域の慣習などにより異なる場合もあります。迷ったときは、ご両親・身近な方など、地域の慣習に詳しい方に相談しましょう。
退院祝いはどんなときに贈る?
親しい人やお世話になっている人が入院した際にはお見舞いをしますが、短い入院だった場合や、予定が合わなかったなどの理由で、お見舞いができないまま退院することもあるでしょう。
退院祝いは、純粋に退院を祝って贈る物ですが、お見舞いができなかった場合に、その代わりとして贈ることもできます。
退院祝いは、その後の病状にかかわらず、退院したという状況であれば使うことができる言葉です。なお、「快気祝い」や「快気内祝い」という言葉は、病状が回復した人が、お見舞いなどの心遣いをしてくれた周囲の人に対して贈る物ですので、反対の意味になります。間違えることがないように注意しましょう。
いつ退院祝いを贈ればいいの?
退院祝いは、相手が退院した日の1週間から1ヵ月後くらいまでを目安に贈りましょう。退院直後は何かと落ち着かないものですし、あまりに退院から日が経ってから贈るのもおかしいからです。
あとから退院の事実を知った場合や、贈る準備が遅れてしまった場合などは、「退院祝い」ではなく、「御回復御祝」(元気になっている場合)や「御見舞い」「祈 ご全快」(ともに自宅療養を続けている場合)などとして贈り物をします。
退院祝いの相場は?
退院祝いの相場は、お見舞いに行く場合の手土産と同様、3,000~5,000円程度です。もう少しいい物を贈る場合は、10,000円程度までを目安にすれば、相手の負担にならずに贈れるのではないでしょうか。なお、目上の人以外への入院中のお見舞いには現金を包むこともありますが、退院祝いで現金を贈るのは一般的ではありません。
退院祝いのマナーは大丈夫?
退院祝いはお祝い事であり、おめでたいことなのでのし付きののし紙を選びます。ただし、「二度はあってほしくない」ことでもあるので、水引は紅白の結び切りを選びましょう。
のし上は、「祝 御退院」という表書きが一般的です。
それ以外の表書きとしては、「祝 御全快」や「祝 御回復」(相手の病状が良くなっている場合)、「祈 御全快」(療養が続いている場合)などとすることもできます。とはいえ、相手の病状を詳しく聞くのをはばかられる場合もありますので、「祝 御退院」とするのが無難です。のし下には、贈り主である自分の名前をしるします。苗字だけでも、氏名を書いてもどちらでも間違いではありません。
退院祝いの定番商品
退院祝いの定番商品は、「病やケガが水に流れる」といった意味に通じる「洗剤」や「石鹸」「タオル」などです。
そのほか、「病やケガが消える」という意味で、お菓子やフルーツといった消え物も人気です。
ただし、退院したとはいえ病み上がりの人への贈り物ですから、食べ物に制限がないかどうかは事前に確認しておく必要があります。
一方で、家族で食べられる物を贈ることで、家族の苦労についても気遣うことができます。また、麺類も、麺の長さから「長命」につながるため、食事に制限がなければ退院祝いに適した贈り物となります。
食べ物以外では、目を楽しませることのできる花も人気のギフトです。ただし、お見舞いに行く場合と同様、「寝付く(根付く)」につながる鉢植えは避けるようにしてください。
お悔やみに利用されることのある「菊」や、白、紫、青の花、「死」につながるシクラメン、花が落ちることから縁起の良くないとされている椿やチューリップなども避けたほうがいい花です。フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーは、そのまま飾れますので、相手の負担にもなりづらい物です。明るい色合いで、香りの強すぎない物を選びましょう。
何が食べられるのかわからない場合や、喜ばれる物を贈りたいが好みがわからないという場合は、カタログギフトを利用するのもおすすめです。入院中、なかなか自由に買い物ができない時間を過ごしていた人にとって、自宅で気軽に好きな物を選べるカタログギフトは、選ぶ楽しみや買い物をすることの楽しみも贈ることができる品物といえるのではないでしょうか。
退院祝いは、退院した人の病状の回復を祝って贈る物です。そのため、お祝い事ではあるものの、病気や縁起の悪さを連想させる物を避け、相手の体調にも気遣って選ぶ必要があるという難しさもあります。その点、カタログギフトであれば、相手が自由に品物を選べますので、トラブルなく贈れるというメリットがあります。現金を贈ることは、一般的ではない退院祝いですが、カタログギフトであれば贈っても問題ないため、品物選びに困ってしまった場合は、利用を考えてみてください。